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みちのくに散る 小私鉄撮影行 [はつかり(鉄系)]

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みちのくに散る 小私鉄撮影行
2011.11.12 十和田観光電鉄訪問


青森県の三沢と十和田市を結ぶ十和田観光電鉄が鉄道事業の廃止を申請しました。
もともと利用者が減少傾向だった所へ東北新幹線開業で、三沢経由八戸への新幹線接続利用がなくなってしまい、地元の自治体にも完全に見放されての廃止申請となりました。

この3年ほど青森県内には何度も出かけているのですが、ここ何年も乗車しておらず、ちょっと申し訳ないと思ってしまいます。7月と9月にファン向けのイベントが催されたのですが、所用で行くことができず、11月12-13日に開催されたイベントに無理やり行ってみることにしました。

こんかいのとうてつグループの「ふれあいフェア」の鉄道イベントは、レトロ電車と機関車+貨車+レトロ電車の運行・展示なのですが、レトロ電車の運転は午前中のみ。東京からは前日入るか、夜行で行かないと間に合いません。
急行「八甲田」でも残っていれば文句なくそれにしたのですが、夜行列車のなくなった今、高速バスが味方となります。本来十和田観光電鉄の高速バス「シリウス」を使うべきなのでしょうが、時間が遅めなのと価格もそれなり。ということで、この夏から運行が始まったツアーバス、弘南バス観光の「えんぶり」号青森行きを使ってみました。

これだと八戸、七戸方面まで6,500円とかなりの低価格。しかもちゃんと3列独立シートのうえに、バス会社が直営している安心感もあります。

11日夜
新宿西口の中央通りはすでに既存のツアーバスでいっぱいのためか、三井ビル北側というちょっと外れのポイントから出発。ツアーバスの場合雨が降っているといるところがなくて困るのですが、幸いにして、ビル裏に着いたときにちょうどバスが交差点を曲がってくるところでした。
最初は半分も乗っていなくて、知名度がまだまだかと思ったのですが、少し遅れてきたグループ客をケータイでナビゲートするサービスもあって、9割の乗車率で22時過ぎ、新宿を出発。
車両は、弘南バスのドル箱路線「ノクターン」号の中古車のようでした。

途中、佐野SA、紫波SAで休憩をはさんで八戸に向かいます。
トイレ完備の夜行バスだと乗務員の休憩や交代のためのサービスエリア停車はあっても乗客は缶詰ということも多いのですが、ちょっとした休憩はうれしい配慮です。

6時過ぎ、降車帯は八戸駅から始まりました。
今回どこで下車するかすこし考える必要がありました。
このバスは、三沢駅にも十和田市駅にも寄らないのです。
結局選んだのは、十和田観光電鉄線に隣接している「北里大学前駅」。北里大学ってこんなところに?と考えますが、獣医学部が十和田市にあり、逆に北里大学生が東京ディズニーランドに行くときにも使えるようになっているようです。

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弘南バス「えんぶり」@北里大学前駅

以下、小さい写真はクリックで拡大


6時30分、北里大学前駅の横の踏切付近に到着。かなり早く着いてしまいました。
数人が下車、大半は同好の志のようです。

予定では下りの始発電車に乗って十和田市まで行き、早朝から営業しているであろう温泉にでも行ってゆっくりイベント列車を待つ・・・・
はずだったのですが、時間が早すぎましたので、歩いて十和田市まで行きます。(といってもすでに十和田市域に入っているので2.0kmほどです。)
今日は快晴、しかしながら冷え込みはほとんだ感じられません。

この区間、電鉄線は稲生川という用水路のような川に沿って敷設されているので、一直線に歩いてゆきます。
桜の並木に沿った区間上り、下りの電車がやってくる時間帯となり、さっそく電車の撮影に入りましたが、東急の7000番台を譲り受けた電車はそれなりに溶け込んでいて、温泉そっちのけで写真を撮ってしまいました。

7時過ぎにスーパーと併設されているらしい十和田市駅に到着。
1階のバスターミナルの一角で蕎麦屋が早朝から営業していましたので、腹ごしらえ。
朝から暖かいものが食べられるのはうれしいです。

さて、1日フリー切符を買ってスタンバイ完了。

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一日フリーきっぷ


最初に十和田観光電鉄に乗ったのは1983年2月のこと。
急行「八甲田」で青森に入り、野辺地から今は亡き南部縦貫鉄道のレールバスに揺られ七戸から十和田市に抜け、十和田市から三沢への片道乗車をしています。
その時の写真が見つかるといいのですが、どこに消えてしまったのか?記録ではモハ1207というのに乗ったことになっています。定山渓鉄道からきた湘南窓の電車でした。

当時の十和田市駅がどんなふうだったか全く忘れてしまっているのですが、現在はテナントのスーパーが撤退してしまい、廃墟のようです。

一駅手前のひがし団地前から電車に乗車、撮影地と目を付けた大曲に向かいます。

ひがし団地(726)-[106レ]-(745)大曲

車内には同業者が20人ほども乗っていたでしょうか。
三々五々下車してゆきます。古里、七百あたりで下車したファンが多かった模様。
大曲でも3人ほど下車して思い思いの方向に散ってゆきます。

やまびこは大曲駅南側のカーブを見下ろす跨線橋に行ってみました。
いい感じのカーブなのですが、東側に森があり、午前中は影になってしまう模様。
まずはここで、一般電車で試し撮り

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7700形が戻ってきました。



すがすがしい緑と斜光線に映える黄葉が目にしみます。

さて、ターゲットの旧型電車は、車庫のある七百-三沢間だと2往復してくれることになっています。
まずは三沢に向かって上ってくるところ。

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八甲田山を背に走るモハ3603
東急時代と同じ深緑色に塗られていますが、ボディはかなりべこべこ


今後はもどしを跨線橋の別角度から
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自社発注のモハ3401を先頭に


なかなか整った顔立ちの好ましいスタイルです。
これでクロスシートだったら観光列車としては文句なしです。

すこし西寄りの用水路わきに移動。
このポイントにも3人ほどのファンが集まりました。

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7700型の下り電車



同じポイントで反対から来たレトロ電車
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足回りまできれいに撮れるポイントです
多分どなたかが刈り取ったものと思いますが


さて、もうひとつのイベントである機関車+無蓋車+旧型電車のいわゆる凸凹列車は七百から十和田市に向かいますので、その前にできるだけ七百に近いポイントに移動しておかなくてはいけません。
となりの柳沢-七百間の七百寄りにファンが20人近く集まっていたポイントがありました。

ほとんどの皆さんが線路に近いかぶりつきで撮られているのですが、私はどちらかというとはすに構えた角度のほうが好み。

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モハ3401+モハ3603のレトロ電車
乗車率もまずまずのようです。


さあ、この後このモハ3401を機関車+貨車に連結して十和田市に向かうわけでこれを先回りして押さえなくてはいけません。
走るようにして歩き、最後は踏切が鳴り出してしまうきわどさでしたが、七百の西側でなんとか間に合いました。

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ED301+トラ302+モハ3401の凸凹列車
ちゃんと両方の電機車がパンタグラフを上げています


構える余裕がなくなってしまったので撮っただけになってしまいました。
これが徒歩鉄のつらいところではあります。

さて、この後はかなり時間があるので、七百の車両基地を見学。

DSC_7704a.jpg
もう1両の電気機関車ED402
こちらの方が重量感があって機関車らしいのですが


後続の電車で十和田市に移動。

七百(1152)-[111レ]-(1207)十和田市

先ほどの凸凹列車が引き込み線の先で展示されています。

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駅裏に展示された凸凹列車


DSC_7737a.jpg
道路からも気軽に撮影できます


肝心のイベントはスーパー(ダイエー)後のフロアを使って、キャラクターショーなどのステージと、地元高校のブースやイートインコーナー、それに十和田観光電鉄、弘前電鉄、三陸鉄道のブースも出店していました。
少しばかりかいましたが、何ともさびしいイベントだなあ。日曜日はもっとたくさんの人が来るといいなあ。

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十和田観光電鉄の歴史コーナー


さて、十和田といえばB級グルメのバラ焼きです。
あてもなく町中をさまよいましたが、上に伸びずに横に伸びた町のようで、中心街がはっきりしません。
ようやく、大昌軒という焼き肉屋を見つけました。

DVC00067a.jpg
バラ焼き630円なり
結構ボリュームもあり、これにライスで十分


このあと念願の温泉も入りました。
みちのく温泉ってところです。(青森はどの町にも温泉浴場がある温泉天国なのです。)


車庫に戻る最後の凸凹列車は、その名も古里で!

ひがし野団地(1502)-[118レ]-(1512)古里

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誰にとっても「古里」


このあたり、足回りまで見渡せる直線が続くのでみなさん、カメラを構えていますが、やまびこの狙いは電車から見かけた別の場所。わたしは足まわりにはあんまりこだわらないのです。それより草むした線路の雰囲気が感じられるところ。

七百に向かって15分もあるいたでしょうか。
この場所には誰もいらっしゃいません。

DSC_7787a.jpg
車庫に帰る凸凹列車
夕日にギラリを狙ったのですが、少し明るすぎました


追っかけでもう1枚
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十和田観光電鉄最後の秋が行きます



三沢に出て、今日の宿泊地である一ノ関に向かいます。

七百(1635)-[120レ]-(1646)三沢


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三沢駅、また乗り換え駅が消えてしまいます


DSC_7813a.jpg
昔ながらの駅がここにある



(続く)

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コメント 6

ドラもん

のどかに走るローカル線。利用者の減少・歯止めには、地域や自治体の協力が欠かせませんね。7700系はまだまだ使えそうですが、車両たちの行く末はどうなるのでしょう。
by ドラもん (2011-11-14 21:11) 

あおたけ

おや、十和田観光。
実は記事が滞っていますが、私も前週の北東北遠征で
十和田観光に寄ったんです。
私が行った日も旧型車の運転はありましたが、
ドン雲りでした・・・(^^;)

秋の西日に照らされた凸凹列車がいい感じですね〜!
この情緒ある鉄道が消えて行くのは、本当に惜しいです。

by あおたけ (2011-11-15 18:54) 

やまびこ3

ドラもんさん
こんにちは。東北の田舎がここにあるとPRしていたのはこのあたりだったと記憶しています。なにもないのどかさがいいところなんですが、残念です。自社発注車ぐらいどこかで保存してくれればいいのですが。
by やまびこ3 (2011-11-15 21:43) 

やまびこ3

あおたけさん
奥羽本線から十和田観光に回られたわけですか。
一日、素晴らしい天気だったのは、雨男の私にしては希有なことです。

あまり話題がなかったので、安泰なのかと思っていましたが、新幹線にとどめを刺されてしまうとは・・・
ここが廃止になると、東北に残るローカル私鉄は数えるほどになってしまいます。


by やまびこ3 (2011-11-15 21:51) 

Cedar

自社発注の電車も電機も健在だったのですね。かわいい塗装も素敵ですねえ~三沢は大きな町ですから安泰かと思ったら廃止とは・・・とても残念です。
by Cedar (2011-11-16 21:50) 

やまびこ3

Cedarさま
こんにちは。
3401はイベント用に残してあったようです。
このあたりでは新幹線に乗るのも車で行くのが普通です。
仮に新幹線と接続しても乗客減は避けられなかったでしょう。
残念です。
by やまびこ3 (2011-11-16 22:15) 

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