春の東北ローカル線撮影記(その1) [はつかり(鉄系)]
春の東北ローカル線撮影記(その1)
2014.4.17 キハ40、DE10天国を駆け足で
JR東日本のローカル線では、長らく国鉄時代に製造されたキハ40系と言われる気動車が活躍してきました。国鉄顔の親しみやすいスタイルで大型ボディで居住性もまずまずなのですが、大きさの割にエンジンが非力で、ちょっとした勾配でもエンジンをうならせて走っていたものです。JR他社ではエンジンを強力なものに換装した改造車が多数作られてきました。近年、JR東日本でも開発した新系列気動車キハ110系、キハE120、130系が進出し、勾配を抱えた線区ではほぼ置き換えが終了。
残るは五能線、男鹿線、八戸線、磐越西線の西部、それに今回訪れた石巻線くらいになってしまったようです。
その石巻線、5月末に決定した仙石線の復活開業、仙石線から東北本線に乗り入れる仙台東北ラインの開通に合わせたダイヤ改正で、ついにキハ40からキハ110系への置き換えが発表されました。キハ110とて、各地のローカル線でワンマン化が進んだ結果、2両編成が主体となり相当数の余剰が出ているのでしょう。
3月末には女川までの震災復旧がなりましたので、これと併せて訪問といたしました。
朝の石巻線には、最近では珍しくなったキハ40の3両4両の編成が走っているので、早朝から石巻に張り着きたいところ。貨物も狙うならということで、平日の金曜日に出かけてきてしまいました。
そんなわけで早朝石巻に着く、高速バスのお世話になります。
新宿ターミナル(2330)-[宮城交通・ひろせライナー]-(640+)石巻駅
仙台駅を経由して、石巻には早朝到着です。
石巻は石ノ森章太郎の出身地で、町中にサイボーグ009の登場人物の像がおかれています。
石巻駅前には003の像が、、、その足元には津波の到達レベルが建物に記されています。この土台は地面から50センチほど高くなっていますので、石巻駅構内もすっかり水没したことがわかります。
石巻に早朝到着
この時間、石巻駅は通学輸送の列車たちで、一時の賑わいを呈しています。
651発 仙石線臨時矢本行き キハ110系の4両編成
651発 石巻線小牛田行き キハ40系列の4両編成
700発 石巻線女川行き キハ40系列の3両編成
今回は万石浦を走るキハ40がテーマでしたので、女川行き1623Dに乗って出発。
これで、浦宿あたりで下車し1,2本撮ったのち女川に出ようと考えていました。
小牛田行とその向こうに先行する同時発車の矢本行
構内には震災以来留置されたままの205系の姿も
間もなく開通したら活躍の場があるのでしょうか
石巻(700)-[1623D]-(723)浦宿
出発してすぐ、どうも手元がさびしいことに気が付きます。
三脚がない!「(≧ロ≦) アイヤー
先ほどみどりの窓口で、大型時刻表を見た時に置き忘れたらしい。
万石浦は譲れないとして、三脚をとるか、女川(再)初乗りをとるか!/(-_-)\ コマッタァ・・・
そうする間にも列車進み、渡波(わたのは)を過ぎて、万石浦の景勝に差し掛かります。下記の養殖いかだが浮かぶ静かな入り江です。
波静かな万石浦
ここは小さな水道を介して、大きく入りこんだ湾をなしていて、その地形ゆえに大震災でも比較的被害の小さかったところ。それでも沿線には海水が入り込んだ跡や真新しい護岸のコンクリートがたくさん見られます。
浦宿駅は小さな小屋があるだけの無人駅
広々とした静かな水面です
女川の一つ手前の浦宿で下車。
海岸沿いに進んだ水産加工場の奥の堤防あたりから万石浦の海岸をゆく石巻線を眺めることができます。部分的に補強された新しい防潮堤が見えるのは致し方のないところ。
先ほど乗ってきた列車が折り返して着ました。この時間になると、石巻に向かう学生が大勢ホームに集まっていました。
静かな水面に国鉄型キハ40が似合います
今度は反対側の沢田方面(西側)に行ってみます。
浦宿駅近くのバス停を見ると9時過ぎに石巻行きのバスがあり、これを使うと女川訪問はあきらめなくてはいけないものの石巻駅で三脚をピックアップして以後予定の行動に戻れそうです。
返しの列車は、先ほど超えた岬の反対側の付け根部分に降りてみました。
浦宿駅の西側で小さな岬を越えているのですが、その先にまた小さな浜辺がありました。この海岸に降りて次の下り列車を待ちます。
少し背後の民家がうるさいですが、これも万石浦の風景です。後ろの国道に大型ダンプが来てしまうと残念ですが、復興需要のせいか大型車両の通行量がかなり多いのです。
今度もキハ40系列の3両編成
この岬の反対側に回って、女川から戻ってきたキハ40を撮ります。2枚上の写真の小山の下あたりからになります。
新しい護岸の上を走って
キハ40、かっこいいですね
女川に行くのはあきらめて5月30日の仙台東北ライン以降にまた来ることにします。
やってきたミヤコーバスで石巻駅前に出戻り、みどりの窓口で無事三脚を回収に成功。
この三脚、相性が悪いのか、4回も手元を離れて戻って来てくれました。一度は角館の駅でホームに置き忘れ、宅急便で送ってもらったことも・・・
ひどいもんです。そのうち魂を置き忘れてしまうかも。
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仙台東北ラインへの期待も高まってきています
この後は貨物列車を撮影すべく、前谷地俯瞰を目指します。
石巻(1038)-[1630D]-(1037)前谷地
ここまではいい天気でした。
トンネルの上に上ったところに、上りの貨物列車が長いコンテナ車を連ねてやってきました。
石巻から紙を運ぶ1650列車
実は今日の狙いはこの斜面の反対側、トンネル出口のすぐ先にある県道の跨線橋からのショットなのです。反対側に回ってオーバークロスに上ります。西側は大崎平野の水田地帯が広がっています。
さっそく、コンテナ貨物1655列車がやってきました。
こちら側にきたころ急激に天気が悪くなってきました
続いて、東側のトンネル出口を狙います。
キハ40の普通列車で試し打ち2題
明かりが見えて
キハ40さまのお通り
つづいてやってきた貨物列車・・・
機関車直後のコキが空だったので一瞬単機かと思ってしまいました。
古いトンネルポータルを抜けてくる652
列車を引くDE10
なかなか迫力あるシーンがとれました。
このあと、西隣の涌谷まで徒歩移動し、途中のカーブで撮ろうと考えていたのです。
いったん跨線橋から降りてすぐ西側の水路の土手に行ってみますと、水路の反対側の土手に菜の花が一面に咲いていて、構図を作ってみたくなりました。
DE10の天国ですわ
キハ40も花畑を行きます
うむ、これも面白いのでは・・・
風が冷たくなってきて怪しくなってきましたが、西に向かって進みます。
しばらく進むと雨がポツリポツリ。雨はまだ我慢できるのですが、風も強くなってきて、まいります。傘をすぼめて流線形にして、雨をよけながら進む状態になってしまいました。
このあたり、江合川の土手に咲く咲く桜並木が美しく、今が盛りと咲いているのですが、眺める余裕もありません。
SL運転時などにはファンが集まる花勝山踏切のカーブのあたりは雨風ともに最高潮・・・、最悪です。
ようやく涌谷の市街地が近づいたころ雨も小降りになりました。
涌谷市街地近く、やってきた1657列車
う~ん、これを先ほどのカーブで撮りたかったもんです。
なんとか、涌谷の駅にたどり着いて、次の目的にに向けた切符を購入っしたのでした。
この駅でも下り貨物列車と行き違いました。石巻線のDE10貨物、元気です。
涌谷(1553)-[1638D]-(1609)小牛田
小牛田(1618)-[2556M]-(1705)仙台
仙台までやってきたやまびこ。
次の目的地の郡山まで高速バスに乗車。節約ってことで許してください。
仙台(1715)-[福島交通バス]-(1915)郡山
回復してきた天気の元、高速バスの高いっ座席からながめる福島県境の国見峠の景色は、
高度が高い分、いつもも慣れた東北本線からの景色よりも一段と印象的なものでした。
桜と桃の花の競演の様はまさに桃源郷です。来年はここにもまた来てみようと思わせてくれました。
<郡山泊>
石巻方面に行かれた方のブログが続いて・・・、それぞれの視点で、勉強させていただいています。
旅先での忘れ物って、ショックあります。あと、なぜか戻って来る物というのも、自分(ズブン)にもあります。チョット冷や汗を、思い出して、あぁヨカッタという気持ちに、なっております。
by hanamura (2015-05-01 13:21)
仙石線が全線開通したら乗りに行きます。
女川にも行きますよ。
by johncomeback (2015-05-03 20:34)
貨物は疎くて、走っている線区もよく知らないのですが、
石巻線のDE10貨物は編成が長くて見ごたえありますね~!
俯瞰からとらえた編成はその長さがわかりますし、
トンネル飛び出しのDE10も迫力あっていい感じですね!
ちなみに東日本のキハ40ですが、
近場では烏山線も現役ですね。
by あおたけ (2015-05-04 11:08)
hanamuraさん
震災復興もまだ始まったばかりの印象ですが、少しずつでも活気が戻ってきているのを見るのがうれしいです。
忘れ物、あまりに多くて自分が心配です。」
by やまびこ3 (2015-05-08 06:31)
johncomebackさん
女川、また行かなくてはいけなくなってしまいました。(嬉・・・)仙石線の海沿いの区間が変わってしまうのは少し残念ですが、スピードアップと利便性に期待しています。
by やまびこ3 (2015-05-08 06:33)
あおたけさん
石巻線の貨物ですが、ノンフィクションとして出版もされた製紙工場の清貧を運ぶために最大7往復も運転されています。(日曜日はかなり少ないですが)
このところ、輸送量もかなり多くなっているみたいで、頼もしいです。
by やまびこ3 (2015-05-08 06:40)