アルプスの峠を訪ねて(その4-2 氷河急行に乗りました) [やまびこ(旅日記)]
アルプスの峠を訪ねて(その4-2 氷河急行に乗りました)
4月27日(2/X)
宿に取って返して、荷物を引き取ってゲッシェネンを後にします。ゲッシェネン支線のローカル列車に乗り込みます。10時53分の列車にしました。
ところでゲッシェネンは無人駅なので、ユーレイルパス割引のチケットは車掌からでも買えるのでしょうかね?自動券売機にはハーフプライスカード向けの割引チケットの口座はあるんですがどうなんでしょうか?
半車の1等車を含む客車3両をラックレール区間も含めて強力に押し上げる機関車1両が後ろについて出発。
MGBのゲッシェネン支線の列車です
駅構内から早くもラックレール区間が始まります。ここのは歯車2枚のアプト式です。(碓氷峠にあったアプト式は歯車3枚)
Goschenen(1053)-[Regio 633]-(1104)Andermatt
先ほど写真を撮った急勾配もなんのその、ぐんぐん上ってゆきます。
Andermatt駅までの所要時間は、わずか10分ほどで途中に駅はありませんが、登り始めてすぐ、行き違いのための信号場があります。ここで、坂を下る列車と交換し、さらに上ってゆきます。
悪魔の淵を行く
よく絵葉書で紹介される「悪魔の淵」と呼ばれる急流区間にかかるヘアピンカーブの道路橋を見下ろして上るとあっという間に高原の街、Andermattにつきます。
Andermatt到着
急カーブしてAndermatt駅に入線。本線支線ともメートルゲージで、そのまま乗り入れてゆく列車あります。MGBの本線は西側のブリークからフルカ峠をトンネルで抜けてゆったり登って来てAndermattから、ものすごい急勾配、急カーブの連続するオーバーアルプ峠に上ってゆきます。
MGBのアンデルマット駅
接続するのは11:28分発の普通列車と11:54の氷河急行ですが、氷河急行までの待ち時間に先行する普通列車が、峠越えに挑戦するところを下から眺めてやろうというスケジュールを組みました。
駅前に出てみるとJTBのツアー客を乗せたバスから団体客が降りてきました。聞いてみるとここからランドバッサー橋の先のFilisurまで、氷河急行に乗車するそうです。(Filisur、キーワードになりますよ)まさに、氷河急行のおいしいところだけをちょいのりするつまみ食いツアーです。
オーバーアルプ峠から降りてきた列車
11:28発の普通列車が出発します。実はこの列車に乗ると、2回の乗継が必要ですが、サンモリッツへは1時間ほど先着できるというダイヤなのですが、いかにも世界で一番遅い「氷河急行」を象徴する話です。(「氷河急行」はReichnau-Chur間を複送するせいでもあるのですが)
普通列車がラックレールをがっちりかませて上ってゆきます
雪山に挑むMGBの列車。
雪山に無理やり作ったつづれ織りの坂道を上ってゆきます。
スイスでは基本的にスイッチバックは使いません。半径100R以下の急カーブは許容しつつ、スイッチバックは原則的に使わないというのが、スイス鉄道界の行動原理みたいです。
雪山の中腹に現れました
トンネルの向こうの峠を目指します
直線距離では数百メートルしか離れていないのに200mほどものぼったでしょうか?
この後さらに雪の中を進んでトンネルに入って見えなくなりました。
さて、11:54の氷河急行。夏には3往復も運転されるのですが、この時期は1往復だけの運転。1等車3両、2等車が4両ほどと、食堂車兼売店車1両がつながっています。
スイス国旗をデザインしたパノラマ客車
こちらが食堂車です
Andermattから乗車する人はわずか。指定された後ろから2両目にどっこいしょっと乗車するとほぼ満席の状態、唯一空いていた指定の席は4人掛けのボックスの通路側。メートルゲージの狭軌鉄道なので車両は日本のJRより2回り小さく、銀座線程度の断面のように思われます。
JRの在来線は世界的に見たら狭軌鉄道の中では飛び抜けて車両限界が大きいと思います。ヨーロッパ大陸の標準とほぼ同じレベルの空間を持っていて、イギリスなぞより、はるかに大きい電車が走っています。
1等車は1-2アブレスト。2等は2-2アブレストです
このボックスはスイス人らしき3人連れで、どうやら夫婦がどちら父親を、誕生日か何かのお祝いに
連れ出したもよう。そして、食堂車から供されるフルコースのランチの真っ最中でした。予約するとランチを座席で食べられるというのは知っていたのですが、途中駅からではかなわず、ま、いっか~だったのですが、ランチ利用率はほぼ100%のようです。
というわけで、なんか、不似合いなところに迷い込んだ感じ。
でも、にこやかにご挨拶して、景色を眺めながらの宴は続きます。
発車すると急こう配を上り、上り、上り、上ります。
スキー場のゲレンデの中をヘアピンカーブで上っているみたいなもんです。今は動いていませんが、ところどころスキー用のリフトがならんでいたりします。
うむ、すごい。
Andermattの街を後にオーバーアルプ峠に向かいます。
雪の中を進みます
次のNatchen(ネッツェン)を過ぎるとピーク越えとなり、比較的平坦な高原をゆっくり下ってゆきます。右手に見える(雪と氷におおわれていますが)湖がライン川の源流の一つだとスイス夫妻が教えてくれました。
峠を越えると、緑の中をゆく感じになりました。
西行きの氷河急行と行き違い
どんどん緑が増えてゆきます
DisnetisでMGBはおしまい。ここからはレーティッシュ鉄道(RhB)という私鉄になります。ここで機関車を交換。10分ほどの停車時間にホームではホルンの演奏が提供されていました。10分ほどの停車時間にホームに降りてみましょう。
演奏中です
かっこいいRhBの機関車が来ました
ランチが終わったころを見計らって、食堂車のバーカウンターに行って、ビールをいただきました。わたしだっておなかが減るんです。
うぃ~!(* ̄0 ̄*)
Disentisを過ぎると谷間を走る区間が多くなり、ライン川(の支流)に沿って下ってゆきます。
RhBはご存じ、大井川鉄道や箱根登山鉄道と姉妹鉄道になっています。
スイス東南部の主要都市、クールにはスイス国鉄も乗り入れていますが、ここから先、グランビュンデン州の鉄道はRhBが路線網を広げています。RhB自体私鉄とはいうものの過半の株を州が有する第3セクターと言ってもいいような鉄道です。
クールで進行方向が変わり、ライヒナウまで10分ほど戻る形になりここからはRhBのアルブーラ線の1時間ヘッドの列車群に組み入れられ一般車両を前より(これまでの後ろ側)に連結して13両ほどの長大編成になります。
アルブーラ線はクールとリゾート地のサンモリッツを結ぶ観光路線で、2006年にRhBのベルニナ線とともに世界遺産に認定されました。この中ほどにあるのが、有名な石造りのラントヴァッサー橋。今日はここを渡って、終点の一つ手前のサメダンまで行きます。
春の景色になってきました
クールで近代的な機関車に変わりました
いよいよ、アルブーラ線の核心部に入ってゆきます。
<続きます>
拙ブログへのコメントありがとうございます。
7月末ですか、是非ご連絡お願いします。
ご都合が合えば是非お会いしたいのですが、ご案内は・・・
やまびこ3 さんの方が仙台にお詳しいのでは?
by johncomeback (2016-05-28 07:50)
食堂車でビールは夢です。
by hanamura (2016-05-28 10:06)
車窓に雪山を眺めながら飲むビール、
最高のひと時ですね〜♪
by あおたけ (2016-05-30 20:15)
johncomebackさん
こんにちは。ただいま計画中、行けるといいなあ。
by やまびこ3 (2016-05-30 22:23)
ここのはブッフェというべきスタイルの立ち席車両でした。この後スイス鉄道の本格食堂車で食事したいと狙っているのですがどうなるでしょうか?
by やまびこ3 (2016-05-30 22:25)
あおたけさん
けっこうおなかが空いて、チョコレートで空腹を満たしていたところだったので、ビールがすきっ腹に応えました。この後、本格食堂車で食べられるといいのですが・・・。
by やまびこ3 (2016-05-30 22:27)