春の西国紀行(その4) [やまびこ(旅日記)]
春の西国紀行(その4)
2017.3.12 出雲坂根スイッチバックを
2両つないでいると喜んだ1449Dですが、後ろの1両は出雲横田回転車の回送でした。1両目の後ろのドアから乗車すると・・・
18きっぱ~でいっぱいです
この列車は、スイッチバックを越えて備後落合まで行く数少ない列車でしたので車内は18きっぱーで込み合っています。オールロングシートのキハ120でした。昨日芸備線の中で見かけた方の姿も見られごあいさつさせていただきました。
下久野トンネルを抜けて出雲八代へ。続いて松本清張の小説にも出てきた亀嵩駅を過ぎます。種村直樹さんの著作で有名になった蕎麦屋はこの時期休業中の様でした。
先ほど書いたように備後落合まで行く列車なのですが、この列車の乗って出雲坂根まで行くとスイッチバックを通過することはできるのですが、これを離れたところから撮影することはできないわけです。
ここが今日の日程の肝なのですが・・・・いろいろ調べてみると出雲横田と三井野原を結ぶ奥出雲交通バスというのが見つかりました。ローカルバスにしては珍しく、土日もそこそこの本数が走っているようです。ところが、ローカル路線にはよくあることなのですが、鉄道の時刻と隣接した時刻にバスを走らせている。う~ん、悩ましい。
列車ダイヤをかいてじっくり眺めていると、答えが見えてきました。この列車は出雲横田で、後ろの車両を切り離すため20分ほどの停車時間があります。そして、出雲横田からちょうどその間に三井野原行きのバスが接続していまして、出雲坂根まで先行できるのです。
下久野(1213)-[1449D]-(1251)出雲横田
さらに、1449Dは出雲坂根で15分ほども停車する観光ダイヤになっているため、撮影地までの移動も何とかなりそう。という綱渡りダイヤになっていたのです。
12:51、1449Dが出雲横田着。駅探訪もそこそこに12:57発のバスの乗り場に向かいます。
この時刻、4つの方向へのバスがあるのですが、、、、何故か三井野原行きだけがなかなか来ない。
12:05近くになってやっとやってきたのは大型バスでした。このバス路線、数年前にあおたけさんが訪ねた時は、たしか日の丸交通だったらしいのですがその後、地元バス会社が分社化されたのでしょう。
乗客2人を乗せて出発。このバスは出雲横田の集落の中心部を回ったあと出雲坂根方面に向かいます。ところが、予想に反して横田中学校を経由。ここでも生徒3人を拾ってと先行する時間を食いつぶしてゆきます。途中で1人づつ4人の乗客が降りて身軽になったバスは、定刻13:21に遅れることなく出雲坂根駅前につきました。
それでも1449Dの到着までは10分以上あるという驚くべき木次線の遅さです。
きれいになった出雲坂根駅
さて、今回狙いたいのは、出雲坂根駅名物3段式スイッチバッを俯瞰できる対岸のポイントからの光景です。
事前にネットで調べたところ、普段なら10分ちょっとでいけそうなところのようですが、今年の山陰地方は大雪があり、木次線の出雲横田-備後落合間もつい1週間前まで普通になっていた(冬季の除雪はもはやあきらめられている)状況だったので、この俯瞰ポイントに至る道も冬季に除雪するような道路ではなく、積雪の状況が心配でした。
<徒歩鉄のための出雲坂根俯瞰ポイント到達コース>
出雲坂根からいったん谷川に降りて川を渡り、目標の林道?に入ります。
林道入り口です
途中右手下に木次線の線路を見下ろして進みます。予想通り、雪が積もったまま。狐かウサギの足跡はあるものの、人間の足跡は全く見られません。表面は固まってザクザクと踏み込んでいく状態ですが、時々重みに耐えかねてずぶりと踏み込んでしまいます。
結構雪がありますが
ここで、下から気動車のエンジン音が聞こえてきてしまいましたが・・・、でも、この列車は出雲坂根で15分ほど停車するので、まだ大丈夫。さらに雪の林道を進みます。ヘアピンカーブを2つ回って進んだあたり、やや視界が開けたところの右側に俯瞰ポイントの入り口があるらしい・・・・
道路が広くなって右カーブしているところで、ガードレールが切れています
お~
少し探すと、タイガーロープの目印がありました。
タイガーロープが目印になります
ここに違いない。
タイガーロープを伝わって数メートル登ると水平移動できるけもの道があり
2回目のタイガーローブ。
この上は樹木の密度が低くなっていて、なんとなく俯瞰できそうです。
タイガーロープを頼りによじ登り、尾根に出ました!
お~、ここだ~、ここだ
見事に残念ながら2段目は森の中で見えませんが、2回目の折り返しポイントのスノーシェッドまで
良く見えているのです。時間が来ましてディーゼルエンジンの音が響いてきます。望遠側にセットして待つことしばし。
わ~お!
スイッチバックして3段目に出てきました
観光列車になっているらしく、下の段の線路が見えるこのあたり超徐行で進んでゆきます。
絶景です!
1時間後に今度は上り列車が坂を下ってくるのですが、足は冷たいしここで待つのも嫌だなあ。そのあとのバスで下界に戻るとかなり遅くなってしまうので、この列車は駅付近で撮影してそのまま帰ろうかぁ~。
駅に戻ってきました。
前回木次線に来たのは1983年で、当時広島から松江まで直通していた急行「ちどり」で乗りとおしました。急行と言えども3段式スイッチバックは通過するわけにはいかず、出雲坂根駅でも数分の停車が設定されていておいしい湧水の”延命水” を一口いただいた記憶がありますが、駅は建て替えられてきれいになったものの列車の本数は数えるほど。
こんだけです
スイッチバックの解説が掲示されています
駅舎の横に延命の水が湧き出しています。
ちょろちょろ出ているだけですが~
地元の方がいらっしゃって水を汲んでいましたが、この下流と少し離れたところにも湧水が開発されたそうです。
さて、坂を下ってくる1462Dを迎え討つことにして、線路の下を並行する林道を上ってゆきます。集落の裏側に線路の下をたどる山道がありました。これを進むこと5分、沢を渡る鉄橋を下から見上げるポイントにつきました。かなり狭っ苦しい構図ですが、あまり遠くまで行くことはできないのでここで手を打つこととします。
三井野原-出雲坂根間は、道路だとループ橋を通って5分ほどの距離なのですが鉄道は大きく迂回して高度を稼いでいるため20分もかかる隘路になっています。予想よりずいぶん時間が経った後、単行気動車が下ってきました。
青い空の下を行く
今度はこの列車が出雲坂根駅に進入するところを狙います。
坂をかけ下って、駅に着きました。
1回目のスイッチバックポイントを経て出雲坂根駅に進入します
この列車も5分ほど停車して、駅観察タイムとなります
木次線を衰退においやったループ橋が見えています
今日はこの列車に乗って、松江に向かうこととしました。
出雲坂根(1528)-[1462D]-(1736)宍道
宍道(1740)-[142D]-(1801)松江
島根県は薄っぺらい形をしていて南北方向の移動なんて30分もあれば突き抜けてしまうと思えるのですが、木次線は2時間以上かかるのです。それだけ曲がりくねっているわけです。
宍道湖に沈む夕日を見ながら松江に
<松江泊>
松江駅前で泊まったホテルですが・・・
何ともすごい間取り
いざというときの非難は大丈夫でしょうか?
夕食後「サンライズ」を見に行ってみましょう。
プラチナチケットを手にした人たちで満員です
2月13日
日曜日の特典航空券が取れなかったので、休暇を取って月曜日の最終便とし1日滞在できるのですが昼間での撮影とし午後の便に変更して帰ろうと思います。
(特典枠はいっぱいでしたが、空港で空きがあれば変更できる)
松江と言えば、一畑電鉄ですが、一畑沿線に向かうか?山陰本線で東京から下ってくる「サンライズ」を撮るか、悩みます。
結果、「サンライズ」を選択し山陰本線へ。このあたりだったら、宍道湖に沿って走るところを撮っておきたいのですが、地図をたどってもなかなかいいところが見つかりません。
特典航空券が取れなかったのでえ、休暇を取って1日滞在できるのですが、昼までの撮影とし午後の便に変更して帰ろうと思います。
(特典枠はいっぱいでしたが、空港で空きがあれば変更できる)
松江と言えば、一畑電鉄ですが、一畑沿線に向かうか?山陰本線で東京から下ってくる「サンライズ」をとるか、悩みます。結果、「サンライズ」を選択し山陰本線へ。このあたりだったら、宍道湖に沿って走るところを撮っておきたいのですが、地図をたどってもなかなかいいところが見つかりません。
松江駅で見かけた4両と最短編成の「やくも」
松江(902)-[3453D]-(911)玉造温泉
玉造の湯
なんだかめでたい勾玉
悩んだ挙句、たどり着いたのが、玉造温泉-来待間の宍道湖沿いのポイント。なんだか、よさそうな予感が・・・
玉造温泉から西に向かうこと10分弱で道路と線路は湖岸に出て並行してゆきます。向かう先ちょっと高台になった住宅地が見えてきました。15分ちょっとで、ポイントに到着。宍道湖を右手にゆったり右にカーブする線路をやや上から俯瞰できそう。
「サンライズ出雲」が戻ってきました
今度はこれに乗ってこよう
この時期4両編成ばかりの「やくも」
上りの「やくも」が振り子を効かせていきました
玉造温泉から出雲市に出て、出雲空港昼の便に無事変更に成功。
玉造温泉(1019)-[283M]-(1052)出雲市
出雲大社では、この春こんな豪華イベントが行われるのでした↓
<お終い>
あああ、伊代ちゃん不起訴で、ヨカッタわぁ~。ワシなんて、十代の頃に(時効ですよね。)あぁ~んなコト、こぉ~んなコト!・・でも、事故は無いですよ!
タイガーロープの雪道大冒険!ほんと「わ~お!」ですね。
あたた・・・なんか、また中国地方を攻略しないと、いけない雰囲気になってきました。(妄想中)岩国勤務の頃に、もっと、攻めるべきでした。
by hanamura (2017-03-25 18:55)
この林道は、冬は熊が、夏はヤマビルが出そうですね。
でもこの絶景のためには、万難を排してでも行く価値はありますね。
by skekhtehuacso (2017-03-25 20:26)
木次線、1日4本とは・・・松江と広島のメインルートだったころの面影ナシですね。
by Cedar (2017-03-26 01:25)
hanamuraさん
石野真子より石野洋子、石田ひかりより石田ゆり子の私ですが~。
伊代ちゃん、ちえみさんの大人の魅力がたまりませ~ん。
次は出雲大社行くぞ~。(過去2回参拝しました。)
by やまびこ3 (2017-03-26 22:09)
skekhtehuacso さん
冬の熊は冬眠中です。でもお腹を空かせて目覚める3月ごろが一番危ないような・・・じぇじぇじぇ、今じゃないですか!
まあ、大した山の中ではないのですけど。
by やまびこ3 (2017-03-26 22:15)
Cedarさん
そうなんですよ。木次線の出雲横田ー備後落合間はもう観光瀬尿路線としてしか生きてゆけないみたいです。九州の「いさぶろう」「しんぺい」みたいに「のぼる」とか「みきお」とかの観光列車が走る日が来るのでは。
by やまびこ3 (2017-03-26 22:19)
出雲坂根、いくだけでたいへん、撮影なんていったらたいへんですね。夜中、夜行急行ちどりなんていうのが昔あって、可部線17M撮影のかえり、こいつで倉吉の親戚の家に向かいました。横川で乗車の列車、広島でものすごい混雑、三次でほぼ全員下車したみたいで、出雲坂根で起きたときは、キハ1両に2、3人、たしか5両編成くらいでした。そんなわけで、ここは中学生のときに夜中通過しただけです。キハ53時代にいきたかったです。いまのキハはなんかあじけないし。
by ひでほ (2017-03-29 13:45)
ひでほさん
木次線沿線、民家はそこそこあって北海道とは違うんですが、レールバスのような小型車両が1両でトコトコ走る姿はかわいらしくて、日本の原風景の中を行く感じではあります。
夜行ちどりは時刻表でしか知りませんが、三井野原までのスキーや行はかなり遅くまで走っていましたね。
by やまびこ3 (2017-03-29 22:27)