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真夏の紀勢本線訪問記 [やまびこ(旅日記)]

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真夏の紀勢本線訪問記
ワイドビュー南紀撮影記



お盆時期に設定することになってしまった夏休み。

それにしても関東の夏空はどこにいってしまったんでしょう。こんな時は、脱出してしまいましょう。というわけで、紀勢本線の非電化区間に行ってみることにします。
今や貴重な存在になってしまった在来線の気動車特急を狙ってみたいと思います。この時期、夏休みの多客期で普段は4両編成の「ワイドビュー南紀」も6両以上に増結され、臨時列車も何本か設定されているので、撮影しやすくなっています。

8月11日

久しぶりに東海道新幹線で出かけます。
早朝、小田原駅から「ひかり」を捕まえて名古屋へ、名古屋から関西本線・伊勢鉄道で
紀伊半島に向かいます。

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朝6時小田原駅、混んでる~



小田原駅新幹線ホーム、こんなに混んでいるのは初めて見ました。
「広島行き、ひかり493号、自由席は新横浜発車時点で満席になっています。今から1号車~5号車の自由席の乗り場に並んでもご乗車できません。11号車~16号車の指定席の通路デッキへ乗車してください。8号車~10号車のグリーン車の通路・デッキへの乗車はできません。」
と、新横浜始発のひかり号ですら、超満員の模様。すでに自由席隣接の6、7号車も乗りこめない状況のようです。やまびこは12号車の指定券を持っていたのですが、乗りこんでも席まで行くのが大変そう!

入線してきたN700系ひかり。列車の後半はまだ結構余裕がある感じで、何とか車両中ほどの席まで行けました。通路に立つ人はぎっしりの状態でしたが、静岡でもまだ空席があり名古屋で降りるとき大変かと思いましたが、結構大勢の方が下車されるようで何とかスムーズに下車。さて、ここから関西本線を下り、青春18きっぷが登場します。
撮影地の紀勢本線、多気以南に速達するため、土日のみ運転されている快速「みえ51号」に乗車。混むだろうと思って指定席をゲットしてきていました。1号車1D。
しかしこれは失敗、快速「みえ」に使われているキハ75系は3扉転換クロスなのですが、1Dは一番前で転換しない固定席だったのです。ということは2CD席は転換しているので、この区画はボックス席状態。かつ、足元もかなり狭い席に1時間半も乗る羽目になってしまいました。途中で自由席に移ればよかったかも・・・
朝食がまだだったので、名古屋駅で求めた駅弁をここで食べる暴挙に。


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「復刻弁当」 名古屋駅 松浦商店 ¥690


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駅弁三種の神器に牛肉のしぐれ煮、フライまで入った幕の内


名古屋の食事は特に好きではないですが、690円でこの内容はお値打ちですね。


小田原(615)-[ひかり493号]-(724)名古屋
名古屋(743)-[みえ51号]-(908)多気


結局指定席は満席のまま、乗換駅の多気へ。乗換駅というと立派そうですが、多気というところは田んぼの真ん中にポツンとあるような駅で売店もありません。ここで、紀勢本線尾鷲方面への普通列車を待ちます。想定通りの好天で、暑い。
待つ間に「南紀1号」がやまびこを追い越してゆきました。

さて329Cはキハ25系2両編成。
伊勢方面に行く人が多く。こちらはロングシートにさらりと客を乗せた状態で出発。午後から一雨来そうな予報ですが、この時点では天気は上々、ロケハンしながら快適な旅です。

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対抗列車も全部キハ25系


三瀬谷の鉄橋、阿曽-紀伊松崎間のカーブと見どころも多いのですが、今日の目的は海。梅が谷を出ると荷坂峠の長いトンネルを抜けます。

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海が見えました!

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豪快に急こう配を下ってゆきます


何本かトンネルを抜けると谷の向こうにはるかに海が見えました。太平洋です。
海が見えても線路はさらに大きく東側を回って距離を稼いで海岸まで下降してゆきます。海岸っ沿いに出ると急に雲の量が多くなってきました。
太平洋高気圧、弱いぞ!おい!どうした!

多気(943)-[329C]-(1100)紀伊長島

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紀伊長島駅にトウチャコ


紀伊長島に到着。ここで下車して今日は次の三野瀬まで徒歩鉄する予定。
すぐ後ろから、臨時の特急「南紀81号」が迫っています。
無茶苦茶蒸し暑いですが、まずは、駅西側の赤羽川の鉄橋で待ち受けることにします。

鉄橋西側からの正面の方が順当なのですが、南西側には樹木が茂っていて、後追い構図で手を打つことにします。待つことしばし、、、、列車が来ません・・・

これは何かあったかとスマホをチェックすると、関西本線弥冨駅でポイントにカメが挟まったそうで、ダイヤが乱れています。JR東海のサイトを見ても30分以上の遅れが発生となっているだけで詳細が分かりません。
先ほど乗ってきた329Cはここで20分ほど停車して、南紀81号に追い越されるダイヤになっているのですがこれも動き出さないので、そんなに大きな遅れではないと推定するのみです。
40分ほど待って踏切が鳴りました。


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流線型キハを最後尾に遅れ「南紀81号」が通過してゆきました



さらに、先ほどまで乗っていた329Cが続きます。

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ドン曇りの下、キハ25が行きます



次の三野瀬わきまで6Kmほどの徒歩鉄を計画しているのですが、ここにきて雨が降り始めてしまいました。鉄橋の反対側に国道42号線の跨線橋があります。この上からも撮れそう。小雨の中大幅に遅れている上り特急「南紀4号」の通過を待ちます。


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キハ85系「ワイドビュー南紀4号」ですね



ランチは国道沿いにあったドライブインで、刺身定食。てえい!ショック!

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これで1000円超は高いんでねえの?!



雨はいったん上がったので、西に向かいます。

国道に沿ってゆきますが、何カ所かトンネルをくぐります。トンネル部分は狭いトンネルの旧道が歩道となっています。
最初の長島トンネル。入り口は自動車道路と並んでいましたが、700mほどのトンネルを抜けと・・
住宅街の中に出てしまい、自動車トンネルに出口は見えません。完全に平行でなく、こちら側では数十m離れていたのですね。

まっすぐ先に進むと地図に江ノ浦と記されている湾に行き当たりました。こちらが長島の漁港の基地になっているようで、漁船や遊漁船が並び奥の方には造船所も見えました。漁港の岸壁から対岸を走る紀勢本線の線路も見えましたので、ここで漁港を入れて1枚。


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「 WV南紀6号」が港をかすめてゆきました
さすがにちょっと小さすぎましたか


さらに先に進んで湾の最深部から次の岬を越えるトンネルに向かい勾配を進んでゆきますが、次の岬を越える坂を上り始めたところで、悪魔のささやきが・・・
「お前、そろっそろ少し休んでバスにでも乗ったほうがいいぞ・・・」

丁度ファミマがあったので、ここで冷たいものを買って一休み。ところが休んでいる間に、急激に雨が降ってきてしまいます。
「オ~!モーレツ!」
車軸を流すような雨が降りだしてしまいました。

先に進むバスは20分後ですが、これで先に向かっても・・・
戻るバスのバス停に行ってみると、なんという僥倖か!5分後に長島駅行きが来るではないですか。

三重交通えらい!先ほどのささやきは天使のささやきだったわけですね。この大雨ではどうにもならないので、長島駅に戻ります。
長島駅に戻ると次の上り普通まで1時間以上。330Cが1時間停車して332Cになります。少しするとキハ25が入線してきました。でもこれを待つしかない。
天気も回復し定刻16:40の20分前となったので、キハ25の車内にて待つことにいたします。

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キハ25の車内で待機。冷房が効いているのが何よりもうれしい


そろそろ発車かという頃合になって・・・
「まもなく発車の時間ですが、現在、大内山-栃原間で規制を越える大雨のため運転を見合わせておりま~す。しばらくお待ちくださ~い。」
ですって、紀伊長島付近はほとんどやんでいるのですが、その少し前の雨雲レーダーを見ますと・・・

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ギョェ~!60㎜/minオーバーですよ~


あちゃ~60㎜超の劇雨じゃあないですか!これじゃあ走らせられないわ。30分おきぐらいに同じアナウンスが流れ、そうするうちに後続の「WV南紀84号」が到着します。当然、そちらも抑止。

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「南紀84号」


2時間たち、19時近く・・・
「19時ごろから線路点検ののち、順次運転再開できる見込みです。」
お~、ようやくか。

19時過ぎ
「線路の安全が確認されましたので、運転を順次再開します。
ただし、隣の特急が先の発車になります。」
そりゃそうだ。あれほどの雨でもすぐ復旧するのはさすが紀伊半島の路線です。

で、19時を少し回ったころ、「南紀84号」はキハ25を残して出発してゆきました。10分か15分立てば出発できるかと思いましたが、なかなか出発しないうち、後続の334Cと思われるキハ25がホームに入ってきました。こちらの列車はけっこう座席が埋まるぐらいのお客さん。さて、どちらが先発になるのかな?

「列車ダイヤの整理をしています。どちらが先発か決まるまでお待ちください。」
との放送が何回か流れ、結局、こちらが先発と決定。乗客がずりずり移ってきます。

19:30頃ようやく出発。この列車には指導運転士が乗っていて教習が行われているらしく、ずいぶん大きな唱呼が繰り返されます。真っ暗になってしまいましたが、大雨の後でも特に徐行することもなく突っ走ります。
途中、何本かの列車とすれ違い、20:40終点の多気につきました。
接続の列車はと見れば、21:04の定期列車の表示。また30分近く待たなくてはいけません。
「南紀84号」に乗ればよかったなあ~。結局、この列車に乗り21:30、泊地の松阪につきました。

紀伊長島(1620)-[遅れ332C]-(1728)多気
多気(2104)-[952C]-(2114)松阪

疲れました。

<続きます>

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コメント 12

skekhtehuacso

これは私の偏見かもしれませんけれど、紀伊半島の三重県側って、しょっちゅう雨が降っているように思います。
それ故、晴れるかどうかは運次第で、歩き回るにはかなり難しい場所だと感じております。

それに紀伊半島の三重県側は伊勢より南に蔵元がなく、酒集めができません。
新宮まで行けば蔵元はありますが、多気から新宮へ行く普通列車はやまびこ3さんがお乗りになった329Cが当日朝出かけて乗車できる一番速い列車ですし、それに乗っていると新宮へ着くのが13時を回ってしまうんです。

私にとって紀伊半島は、近寄り難い雰囲気満載の秘境ですわ。
by skekhtehuacso (2017-08-22 22:26) 

johncomeback

名古屋駅の「復刻弁当」¥690は天晴れです(*`д´)b OK!
「森のいかめし」が780円に値上げとは言語道断です。


by johncomeback (2017-08-22 22:37) 

しおつ

以前キハ82系を撮りに新宮まで行った時はバイクでした。
新宮着が21時頃になり、暗い道は当時バイク初心者だったのできつかった。
海、山といい風景の中走る紀勢本線、乗車してまた楽しみたくなりました。
by しおつ (2017-08-22 23:24) 

hanamura

空梅雨の頃に計画した、日光、水上、飯田線という、水源地を巡る旅の後、各地で大雨が降って、お盆前から、雨男は自主規制しております。そして、このシーズンには紀伊半島は近づいていないのですが、(トホホ)大雨、大変でしたね。運行状況が乱れると、どの列車に乗るか?心も乱れますねぇ。
でも、キハ85系は、やっぱりカッケ~! ♪ てっきょうだぁ~!♪ てっきょうだぁ~!たぁ~のしぃ~なぁ!!(ちょうどラジオで流れました。)

by hanamura (2017-08-23 05:45) 

やまびこ3

skekhtehuacso さん
尾鷲の辺りには蔵元がないのですね。知りませんでした。
尾鷲というと日本最大の降水量があるところと中学で習ったところで、その通りの雨の降り方でした。2年前に好天に恵まれたのはラッキーだったのですね。

by やまびこ3 (2017-08-23 19:34) 

やまびこ3

johncomebackさん
「森のいかめし」780円ですか!スルメイカの不良でイカ全般値上がりしているのでしょうか。それにしても・・・・わたしなぞ、300円ぐらいのイメージなんですが。
by やまびこ3 (2017-08-23 19:36) 

やまびこ3

しおつさん
キハ82の記事、記憶に新しいです。キハ82は北海道でしか実物に乗車したことがないのですが、紀勢本線や高山本線での活躍も懐かしいです。
by やまびこ3 (2017-08-23 19:39) 

やまびこ3

hanamuraさん
今日23日、ようやく快晴になりましたね。キハ85はやはり非貫通の方がかっこいいと思います。まだ続きますのでよろしく。
by やまびこ3 (2017-08-23 19:42) 

(。・_・。)2k

紀伊長島の駅 懐かしいです
綺麗になった感じがするなぁ
親父の田舎が紀伊長島なんです かれこれ15年くらい行ってませんが
子供の頃は夏休みに入ると直ぐに紀伊長島に寝台車で行かされ
お盆に親父たちが迎えにくるまで川遊びに勤しみました
おかげで川での釣りや漁 山での猟まで覚え東京生まれ東京育ちとは
思えないほどたくましくしてくれた場所です
写真が見れて嬉しかったです(^^)

by (。・_・。)2k (2017-08-23 23:53) 

Cedar

私鉄フェチなんですが、Cedarも旧国鉄時代に日本全国の国鉄に結構乗りました。その中で唯一残ったのが紀勢本線です(海南~多気間が未乗)。
いつかは乗りに行きたいと思っています。
by Cedar (2017-08-24 02:05) 

やまびこ3

(。・_・。)2k さん
コメントありがとうございます。紀北町のホームページを見たら雨が4000㎜と自慢げに書いてありました。その雨の洗礼を受けたわけですね。豊かな漁村の風景がみられました。
by やまびこ3 (2017-08-24 22:02) 

やまびこ3

Cedarさん
このあと私鉄も出てきますんでぜひよろしく。
紀勢本線は国鉄が元気だった時代の最後に開通させた本線とも言えますが、線路のルートの取り方を見ると、どうやって山と岬を克服するか苦労したことが垣間見えて楽しい旅になりますよ。
by やまびこ3 (2017-08-24 22:08) 

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