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2017お盆休み九州遠征(その3) [やまびこ(旅日記)]

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2017お盆休み九州遠征(その3)
九州・近代化遺産の名残を探訪



8月17日

2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」の一角をなす「三池炭鉱 専用鉄道敷跡」。その一部が三井化学の専用鉄道として現役で使われていて、大牟田市内の西鉄新栄町に隣接する仮屋川駅-宮浦駅さらにその先の工場までの間で、化成品のコンテナを輸送しています。
工場のメンテナンス時期以外、お盆でも輸送があるという情報を得たので、今回、見学しに行ってみました。

北九州の工場などから化成品コンテナに硝酸、塩酸を積み込んで、朝の貨物列車で大牟田に輸送。大牟田から西鉄新栄町(大牟田の一駅手前)近くの専用線の貨物駅仮屋川までJR貨物が運んで、ここから専用線で三井化学の敷地にある宮浦駅まで専用線の電気機関車で輸送、さらにここから積荷別に分割して工場内の線路に引き入れるらしい。

詳細を調べますと、朝7:30に大牟田までの貨物列車1151列車で大牟田に到着、その後、JR貨物のDE10が
鹿児島本線を少し戻る形で仮屋川まで持ってゆくようです。

当初、この貨物列車も撮影するために早朝大牟田まで行こうかと計画しかけましたが、ホテルに朝食が付いていたので、この部分はパスして、古典電気機関車が活躍する仮屋川から後の作業を見学することとしました。仮屋川での貨物受け渡しは9時台と午後行われるということでしたので、当該貨物列車の1151列車の運転があることを確認したのち、まずは、大牟田線に乗って薬院から新栄町に到着します。ここは大牟田市内に入っていて特急電車も停車する主要駅。


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新栄町駅にトウチャコ


とはいえ、西鉄の駅のある西側は、不気味なほどシャッターが閉まっていて寂れていました。
鹿児島本線(駅は無い)の西側に西鉄の島式ホームがあり、JRの線路は北側の踏切のさらに北側で
分岐させて仮屋川貨物駅の線路群につながっています。一旦この踏切を渡りますと、さらに1本の電化された線路が旭町のある北の方からのびてきて、東にカーブして待ちの中につながっています。これが専用線のようです。

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踏切から新栄町方面を見る



この先、旭町1号踏切というのが専用線の大きな踏切で、列車通過時には監視員も派遣されるポイントということでしたので、8時過ぎ、到着後まずはこの踏切に行ってみます。


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これが旭町1号踏切です
監視小屋が傍らに立っています



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このハンドルで遮断機を操作するのでしょうか?


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行儀悪い学生さんたち



4車線が横断する大きな踏切で、この時間には無人の監視小屋があります。
9時過ぎには引き取りのために電気機関車が出てくると聞いていましたので、待機しますが、一向に監視員が現れません。大牟田にコンテナを留め置くわけもないと思うのですが、新栄町の南側のJRの踏切にも行ってみますが、しばらくするとED76が現れました。
でもこの列車は単機?1151列車は荷があったと情報が上がっていましたのでこの列車じゃないよな。

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ED76が単機で通過
お盆前後は回送が多くなりますね



8時40分、旭町1号踏切に戻ってみますと、バイクでやってきた水色の制服を着たお父さん(いや、監視員)
「お、来ましたね。」

踏切の傍らで眺めていると

「今日は、9時の便はあるけど。出荷する荷がないので、午後の便は運休だよ。」
と向こうから教えていただきました。

同業者がもう一人やってきて、しばらくすると監視員さん2人に増強。

そしてややいきなり踏切が鳴動し、遮断機が下りてきます。なんだ自動化されているんですね。監視員さんは監視だけ。

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東芝製45t電機18号機が来ました



そこへやってきた18号機電気機関車。昭和11年製45tの東芝製機関車です。意外に速いスピードであっという間に走り去りました。

先ほどの仮屋川駅なら広いところで見れると思い、そちらに急ぎます。が・・・
着いた時にはすでに列車が仕立てられていて、カメラを向ける間もなく走り出してしまいました。

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今日はコキ3両とやはり荷が少ないですね



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こちらは大牟田から貨物をひいてきたDE10


なんとか、全体を収めたものの、踏切で待ってた方が良かったか?

次は、宮浦駅構内での入れ替えと工場への搬入を見るべく宮浦貨物駅に移動します。宮浦に着いた時間、すでに18号機は切り離されて待機。3両の荷のうち、1両はどこかに運び出された状態でした。


しばらく見ていますと、工場への引き込み線から、小型の電気機関車1両が作業の方を2,3人乗せて
戻ってきました。やや、単機かと思ったのは、間違いで後ろに控え車みたいなのがぶら下がっています。これが電源車なのですね。


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11号機が作業員を乗せて戻ってきました



化学工場内ではスパークなどでの引火事故を避けるためか、架線をひいていないようで、11号機はパンタを下ろして電源車(バッテリーをずらりと並べた蓄電池車ですが)をぶら下げているのです。

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1人の作業院の方が機関車の前部に移動しました



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踏切を通過します


11号機は、1917年三菱造船製の20t機ということで、なんと御年100歳。矍鑠とした走りをみせています。

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1両のコキを連結して戻ってきました



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工場の方へ引き込み線に入ってゆきました



もう一度この作業が行われ、今度は踏切のインカーブ側の工場側から写真を撮ってみます。


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最後のコキをひいてゆきました



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男達を満載して戻ってきた11号機


結局見ていなかった1回目を含めて3回の引き込みが行われて、最後もっどってきたときに踏切番をされていた方が、これで昼までうごかないよ。と声をかけてくださいました。
そして11号機も操車場の横にある駅舎、というより詰所みたいな木造の建物の横まで行って、待機状態に入ります。
作業員の方々は昼休みに入った感じ。そのすぐ横まで問題なく入れますので、近くに行って、車両を観察してみましょう。


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東芝製18号機を観察
よく手入れされています



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宮浦駅の駅舎よこで11号機も休んでいました




三井化学専用線の見学はこれにて打ち上げました。

ところで、この記事を書くために、ネットで復習していたのですが、東芝製18号機が8月の末に宮浦駅構内でポイントの誤操作によって脱線事故を起こしてしまったんだそうです。
ビックリです!

そのため、しばらく18号機は修理・調整のため運休。
そして、仮屋川までの貨物の引き取り運用は何と11号機が充当されているというのです。なんと荷の多い日は12との重連、間には蓄電池車を挟んでいるようですが。

なにはともあれ、18の早期復帰が実現いたしますように。


<続きます>












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コメント 4

skekhtehuacso

ED76が走るということは、ここは交流2万Vなのですか?

電機は蒸機とちがって部品の確保がむずかしいと勝手に思っていましたが、100年ものでもちゃんと維持できるのですね。
そうならば、ぜひともJR東日本にはEF58の61号機を修理して永久に保存してもらいたいものですわ。
by skekhtehuacso (2017-09-04 22:59) 

やまびこ3

skekhtehuacso さん
わかりにくくてすみません。ED76が走っていたのは鹿児島本線の方で、専用線はつながっていない直流600Vではないかと思います。
ドイツでは103を保存しているようですし、要はやる気次第でしょう。
電気機関車では集客が見込めないという判断もあるかもしれませんね。
by やまびこ3 (2017-09-04 23:15) 

hanamura

電池を引っ張って走る電気機関車いいなぁ~。
(リチウム電池より安全だぁ!時事発言?)
そして走っている姿、働いている姿が素晴らしい。
by hanamura (2017-09-05 07:32) 

やまびこ3

hanamuraさん
この電池は鉛かなあNiCdかなあ。どこで充電してるんだろう。パンタグラフから自分で充電できるのかなあ。なんて馬鹿なことを考えています。
話は変わりますが、JR東日本のレール輸送キヤが発表されました。ナナゴー大丈夫かなあ。
by やまびこ3 (2017-09-06 07:05) 

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