三陸海岸をめぐる(その2) [はつかり(鉄系)]
三陸海岸をめぐる(その2)
ブラタモリ・リプレイ版?
1月18日
大船渡から三陸鉄道、旧南リアス線区間を目指します。
大船渡線の終点、盛駅までBRTで移動。盛駅、JRの線路跡はBRTの複線バス路線になっております。
盛では三陸鉄道のほか、産業鉄道の岩手開発鉄道が(線路はつながっていませんが)出ています。事前に得ていた情報では岩手開発鉄道は土曜日曜は運休のことが多いということだったのですが、念のため、ヤードの方をのぞいてみましょう。
お、機関車が停まっています。お、お、お~!
エンジンから排気が上がっているではないですか!
急ぎ、事務所の方に行ってみます。
盛駅の北側に小さなホームがあります
岩手開発鉄道ですが、1992年までは旅客輸送も営業していました。たしか1986年にここを訪問したことがあり、終点の岩手石橋まで往復しました。
ディーゼル機関車が空の貨車を連結してスタンバイしています
運転士さんがホームの並びにある事務所から出てきて機関車に乗り込むようです。こりゃあ、出発近いと、踏切まで戻りますと、出発信号機が青になりまして、機関車が貨車を引き出してきます。
DD5652が貨車の列を牽いて山に向かってゆきます
岩手開発鉄道は、大船渡湾沿いの赤崎セメント工場と北上山地の南の端、石橋を結ぶ線路で、戦前から工事は行われ、戦後は部分開業を経て、1960年に赤崎-岩手石橋間が開業してからはもっぱら石橋付近で産出される石灰石をセメント工場に運び出す役割を果たしています。最盛期には24時間運航が行われていたようですが、現在は日中のみ、ほぼ1時間ヘッドで石灰石列車と返空貨車の運行が行われています。
で、土曜日のこの日も運転がありそうなので、三陸鉄道は1本遅らせて、こちらを撮影してゆくことにしました。地図を見て向かったのはすぐ北の盛川の橋梁です。比較的新しい鉄道なので、コンクリート橋が斜めに盛川を渡っています。
堤防に出てみると、なかなかいい感じ。
古い時刻表がネットにアップされていましたので、それを参考に時刻を推測しますと、上下列車が30分おきぐらいに通過すると読み取れます。
DD5653がセメントをひいてゆっくり通過
機関車は昭和40年代中頃に製造されたDD13タイプで、のちにエンジンを換装して、出力を増強しています。ネービーブルーの車体に赤いナンバープレートが決まってます。キャブ周りは精悍な感じですね。
今度は大回りして対岸に回り、盛から築堤を上って橋梁をやってくるところを射光線で記録します。
心なしか軽やかに通過します
同じDD5653が空のホキの列を牽いてきました。
橋梁は北側の川岸手前から左にカーブして、川に平行になって市街地を抜けてゆきます。
サイドビューを1カット
続いて、積車の上り列車がやってきます。
そのカーブ部の部分を下から見上げてみました。
カーブするDD5652
町中ですが、なかなかかっこよく撮れました。
岩手開発鉄道には4両のディーゼル機関車が在籍していますが、今日はこの2両が往復するようです。
西側の河原から列車のサイドを
岩手県内では一番温暖な大船渡。早くも春の気配が漂ってきています。
盛駅に戻ります。三陸鉄道に乗る前に、構内のこ線橋から石灰石輸送を記録しましょう。
石灰石を満載している様子がわかります
それでは、三陸鉄道に移動しましょう。
昨年の3月、全線開業に至った三陸鉄道。
ですが、昨年10月の台風19号でずたずたになってしまいました。その中で旧南リアス線部分は被害が少なく、数日で再会を果たしています。全線再開は3月20日の予定。がんばれ、三陸鉄道。
10時発の釜石行き2207Dで出発
せっかく、釜石から盛まで線路がつながっているのに、大船渡-気仙沼間が永久につながらないのはなんだかなあ。
まず向かったのは小石浜改め恋し浜駅。
盛駅を出ると盛川を渡って陸前赤崎に向かって勾配を上ってゆきますが、先ほど取材した岩手開発鉄道を盛-赤崎でオーバークロスして山中に高度を上げてゆきます。陸前赤崎、綾里とくると太平洋が見えてきました。
恋し浜駅に到着
2009年に小石浜から恋し浜に改称されて、ホームの待合室には神社がまつられ、ホタテ貝の貝殻の絵馬が用意され参拝者は願い事を書いてお祀りしてゆくことになっています。コメントノートも用意されていました。(ブラタモリの受け売り)
皆様の願いが叶いますように
”恋し浜”ですから近いの鐘も備え付けられています
昼間の普通列車は、3分ほど停車して、お参りができるようになっています。が、やまびこはここで下車して、撮影ポイントを探します。
山側の道路から見えそうですが・・・
綾里との峠道に行ってみますが、駅は見えるものの肝心の海が見えません。かなり下って、駅とほぼ同じレベルの道路わきの平地から覗いてみます。
次の北行列車は2両編成でした
次の列車までの間に、綾里駅側の谷に移動します。山を越える県道を上って、トンネルを抜けると綾里の集落に入ります。
あるトンネル上の斜面から上ってくる列車をキャッチ。
このあたり海から離れています
綾里の集落内に移動します。こんな山の中にも津波の碑や到達高さを示す記録があってびっくりします。集落内で営業していた食堂(普通の飯屋がやっていること自体が珍しい)でランチをいただきまして、綾里駅に向かいます。
綾里駅
さて今度は、吉浜駅までやってきました。
吉浜駅
吉浜集落にはなまはげなどと一緒に2018年にユネスコ無形文化遺産の「来訪神」の”吉浜のスネカ”ががあります。北リアス線に年末あたりに乗り込んでくる ”ナモミ”と同じような仮面をかぶった神が家々を来訪するものです。
それはさておき、まずは国道から海岸近くを走る三鉄を見下ろすポイントに行ってみます。
南行列車が来ました
天気が良ければいい景色が拝めるんだろうなあ。背後の半島を見ると入り江の深さがわかります。
次は海岸近くに降りて、上下の列車を撮影します。
入り江の北側から
続いて南側の高台から築堤を見下ろします。
夕暮れの海もいいもんです。
全線再開したらまた来たいところですね。
<釜石市内泊>
最後の2枚可愛いですね
by kenji-s (2020-02-23 07:14)
私も岩手開発には’84年夏に乗りました。
ちゃちな気動車と立派な線路のコントラストに驚いたことを
覚えています。
三陸海岸の入江、まるで湖のように穏やかであれほどの災厄を
もたらしたのが嘘のようです。
by サットン (2020-02-23 13:54)
ブラタモリ、三陸海岸の回、二回ともみました。とてもおもしろかったです。電車と景色が合いますね。
by ciel-bleu-fonce (2020-02-24 21:41)
ブラタモリ見ました^^
by まさ (2020-02-25 20:43)
kenji-sさん
コメントありがとうございます。
三陸鉄道は鉄建公団が作ったかなり新しい線路なので、トンネルばかりなのですが、この吉浜付近は海が見える区間です。
by やまびこ3 (2020-02-26 07:28)
サットンさん
わたしも、当時の写真を掘り出して記憶をよみがえらせています。のどかない中を走るローカル線でしたが線路はすごく立派でした。日頃市で長い石灰石列車とすれ違ったのを覚えています。
そのうち紹介したいと思います。
by やまびこ3 (2020-02-26 21:27)
ciel-blue-fonceさん
ブラタモリのアシスタント今度代わってしまうのですね。ちょっと残念。林田さんにウニ弁当を食べてほしかった。
by やまびこ3 (2020-02-26 21:30)
まささん
コメントありがとうございます。
越喜来湾の景色もよかったですね。勉強になりました。
by やまびこ3 (2020-02-26 21:32)