ばなな2題 [白鳥(文芸)]
少し前に読んだ2冊です。
『ひとかげ』
10年程年前に書かれた短編『とかげ』のリメイク版。
ちょっとした霊能力を持つ少女とかげと中年男性の生活の物語。ちょっとインパクトのあるタイトルのつけ方です。最初は知らずに買ったのでおちょくってるのか~っと思いましたけど、この10年、立てには過ごしていないなと思わてくれました。乾いた『とかげ』から湿り気のある人肌の『ひとかげ』に、作者も成長している様子が感じられました。
『イルカ』
五郎との出会い、ボランティア生活、海辺の別荘での生活をとおして、あたらしい命の誕生を感じる主人公の物語。こればっかりは子供を生んだ人でないとかけないなぁ。イルカが子供をつれてくるという発想は、ちょっと意表をつかれました。
帯封など読まずにいきなり読み始めるタイプなので、前半ちょっと硬い感じで進みませんでしたが、別荘での生活あたりから臭いや、雰囲気、風に異様に敏感なばななの世界が戻ってきます。
10年後に『まいるか』=『参るか』で続編を書いてくれないかしら。
2007-03-15 23:17
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