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この暗闇の先に何がある!(その3) [やまびこ(旅日記)]
この暗闇の先に何がある!(その3)
ここからが上部軌道を通っての黒部ルートの革新部になります。
このトロッコに乗ってゆくのです
この上部軌道は、もともと黒部第3発電者の水源となる仙人谷ダム建設のために、1941年に欅平-仙人ダム間が建設さえ、その際一部区間で、地熱による高温のため、建設工事が大難航した高熱隧道で知られています。当時はなんと岩盤の温度が160℃にもなったらしく、裸の人夫に水をかけながら作業する様子が記録に残っています。
この高温のため、架線を貼って維持することが難しく、内燃燃料も引火の危険があるため今でもバッテリーカーによる資材輸送が行われているのです。
現在は並行するトンネルで、クロ三などへの導水が行われているため、40℃ぐらいまで下がっているそうです。
車内はこんな感じ
運転席を覗くと列車ダイヤがありました
記念写真を撮って出発!
素掘りにコンクリートを巻いたトンネルを進みます
トロッコ車両も特注の耐熱仕様で、窓は開かず、手動のワイパーがついていました。
バッテリーカーがけん引するトロッコに1両に4人づつ乗車して進みます。
乗り心地は・・・・・良いとは言えません。おそらく時速30Kmぐらいで進みます。
ガタゴト進むこと10数分で高熱隧道に突入。
竪坑上部駅あたりでは15℃ぐらいとひんやりしていたのですが、客車内も暖かくなっているのが分かるほど。通過時にドアを開けると暖かい風が吹き込んできます。トンネルの岩盤には硫黄の付着している様子も見られました。
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かなり熱い空気が・・・
さらに数分進むと明かり区間に出ました。仙人谷駅に到着です。
黒部川をまたぐ橋梁の上にあります。目の前には本流をせき止めている仙人谷ダムの姿が見えます。1940年に完成したダムです。
堤高47.5 mのコンクリートです
下流側の深い谷を黒部川が流れています
ここで線路は黒部川の右岸に移り、くろよん発電所に向かいます。この区間は1963年のくろよん発電所建設時に延伸された区間で、幾分スピードが速くなったようです。
くろよん発電所手前の線路沿いに、「ここで中島みゆきが歌ったよ」の札がぶら下がっていました。
中島みゆきが歌ったのは12月ですから、当然、黒部峡谷鉄道は鉄橋まで外して運休中で、中継機材は、上の黒部ダムから自動車とインクラインを使用して運び込まれたとのこと。
この区間、くろよん完成前から日電歩道という水平歩道が作られていて、現在も登山上級者の世界ともいうべき登山道が結んでいます。といっても雪で毎年破壊されるので10月ぐらいにならないと全線開通しないのです。ガイドの方が盛んに宣伝してくれます。この歩道は関西電力の負担で維持されています。筆者は、40年前になりますが阿曽原以北の入門コースを歩いておりまして、いつか全部行ってみたいと思ってましたが、もう体力的に無理だろうなあ。
くろよん発電所に着きました
上部軌道はここまで、くろよん発電所の見学に移ります。
50分ほどの滞在時間があり、黒部川第四発電所のレクチャーと見学が行われます。
まず、会議室で巨大な地下構造付きジオラマを見せていただいて、水力発電の仕組みを講義。
続いて、タービン室で水力発電の肝となる発電機の上部を見学。素晴らしく広い体育館のようなところです。
ダービンが4基並んでいます
タービンのブレードはかなり複雑な形状で、日本にはその加工技術がなく、初代のタービンはドイツから輸入したものでした。取り外した先代のタービンが展示されていましたが、いざというときに動かせるように整備されているそうです。
続いて、制御室。
黒部川水系の発電所の稼働状況が全部表示されるような制御パネルの前で作業員の方が2,3名何かやっておられました。
が、現在は、大阪にある水力発電所の統括制御センターのようなところで、全部コントロールしているということでたまたまメンテナンス作業中だったようです。
今度は、くろよん資材輸送のために作られた巨大インクラインにのります。
巨大な単線交走式のインクラインで、今現在は、50人ぐらい乗れそうな客室がついてますが、さっき見たタービンをそのまま載せられる能力があり、機材を運ぶときは客室を外して荷台の上に直接重量物を載せられるようになっていて、駅にはガントリークレーンのような機材も備えられています。
長さ815m、斜度34°と大規模なものでレール幅は3mぐらいありそうです。片道20分もかかります。
途中で行き違います
行き違った搬器には、黒部ダムスタートの見学チームが乗車しています。インクライン上部駅からは、バスにのりかえ、ここからはバス連絡になりますが、1車線分しか幅がないため、基本的にダイヤ運行しています。
バスもダイヤ運行します
バスは電気バスかと思ったら普通のディーゼルでした
10分ほどで、タル沢横坑へ。数百m横に出たところにトンネル掘作の基地となった横穴があって天気がいいとここから裏剣の絶景が見えることもあるそうですが、残念ながらこの日は雲の中。
裏剣は見えず
黒部渓谷の十字峡の上あたりにあたり、剣岳の三ノ窓雪渓から頂上まで見えるようです。(いつかの機会に)
あと数分バスに乗ると黒部ダムに到着。関電トンネルのバス道路の近くで解散となります。
関電スタッフの皆さん、ありがとうございました。同行者の皆さんお疲れ様でした。
せっかくなので一番上の展望台まで220段の階段を上って・・・
黒部ダムサイトに出ました!
せっかく観光放水やっているのに、距離が遠すぎますので、一番下のテラスまでわざわざ降りてみます。
お~やっぱりこの近さがいいですね。
ちなみに放水できる水門というかバルブは上中下3か所(1か所に2口)ついていて、どこを開けるかはその時の気分次第(いや、担当者のね)だそうです。この日は中段のバルブでした。
ハウエルバンガーバルブというタイプのバルブで、水を円錐状に噴出して下流への圧力を弱めつつ、きれいに広がってます。
レストハウスでダムカレーをいただきます
カツをトッピングしたのでダムかどうかよくわかりません
ここまでで今日の行程はお終い。ダムを渡って、立山、室堂に向かいます。
黒部平、大観峰はほぼ雲の中、立山トロリーバスに乗って室堂へ。この日室堂で宿泊を予定してました。
40年前、剣岳にのぼった記録があるのでちょっと思いだしてみます。室堂のホテル立山はべらぼうに高いのであきらめて、室堂山荘へ。山小屋ですが、十分快適な滞在ができます。
立山を正面に建つ山荘へ
<続きます>
2022-08-11 12:21
nice!(26)
コメント(2)
ブフォ吐血!ブー鼻血!毎度ビロウでスミマセン。
あぁ、何も言えません。「えぇモン見た。」かな?
by hanamura (2022-08-11 20:41)
hanamuraさん
こんにちは。山はいいですよ~。
黒部ルートを建設した時代背景を思うといろいろ複雑です。
by やまびこ3 (2022-08-14 09:36)