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『空気人形』  (★★★★☆)   [あおば(映画)]

少し前に見た映画ですが・・・

 空気人形と一緒に売らす板尾創路演じるところの中年男。
さえない男は、レストランのウェイターとして働いているが、オーナーに怒鳴られる毎日を空気人形、”のぞみ”との生活で紛らわしていた。いわゆるダッ〇ワイ〇というやつだ。

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ところが、ある日、この型落ちの空気人形が”こころ”を持ってしまった。
”のぞみ”(韓国の人気女優、ペ・ドゥナ)は主人のいない日中、外を歩き回り人間社会のことをすこしずつ学んでゆく。
とうとう、町のレンタルビデオショップにアルバイトとして入り込む。チェーン店ではない、映画好きの店長が心をこめてアドバイスするような下町のビデオ屋だ。
こんな店で働くうち、どうやら”のぞみ”はアルバイト店員の純一に心を寄せるようになってしまったようだ。ある日、ふとしたことから、”のぞみ”の秘密を知ってしまった純一。
純一は言う「自分も空気みたいなもんだ」・・・

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現代社会の人間関係の中で、ともすると"空気人形”のようになってしまう人間を皮肉とユーモアたっぷりに描き出すしている。
あなたの回りにも空気人形が、そして私の回りにも。もしかしたら、あなた自身も・・・・
ビデオ店のクリスマスの飾りつけの最中に、”のぞみ”は転倒し、腕を切り裂いてしまう。こうなると、空気が抜けて、もとのビニール人形に戻ってしまうのだ。助けようとする純一に、”のぞみ”はいう。
「見ないで、見ないで・・・」
純一はセロテープで手当てをし、へその空気穴から息を吹き込んで”のぞみ”を助けてあげる。
そしてまたいう。「おれも空気みたいなもんだ・・・」

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考えてみれば、この町は「空気みたいな人間」であふれている。
”のぞみ”は自分の仲間がこの町にはたくさんいると確信した。
デートの最中、純一のおなかを刺してしまう。
空気孔を探す”のぞみ”。 でも、出てくるのは赤い血だ。
血の吹き出る傷口を必死でセロテープで補修しようとする”のぞみ”。
空気を入れる孔なんてありはしないのだ。・・・
壊れた空気人形は捨てられる運命にある。

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