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時代が作り上げたのか 『アメリカン・ギャングスター』 (★★★★☆) [あおば(映画)]

あおばが大好きなデンゼル・ワシントンが主演の大作『アメリカン・ギャングスター」を鑑賞

70年代のニューヨーク。ハーレムのボスの運転手をしていたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)はボスの死後、イタリア系マフィアの手下となることを拒否して、自らベトナム戦争中のタイ山岳部に乗り込み、良質の麻薬を入手、軍用機で密輸するという大胆な手法でニューヨークの麻薬王に成り上がる。母親に豪邸を買い与え、兄弟たちを養い、美人の妻を娶る彼の姿は、ギャングというより成功したビジネスマンのようだ。
一方、ニューヨーク市警の警官リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は曲がったことの嫌いな硬骨漢。この時代、警官の大半が賄賂や麻薬横流しの不正に手を染めていたため、清廉な彼は仲間の間で浮いた存在になってしまった。彼を拾ったのが隣のニュージャージーの警察。彼をリーダーにえり抜きのメンバーによる麻薬捜査班が結成される。


ほとんど目立つことのなかっらフランクだったが、モハメッド・アリのボクシング試合での行動から目をつけたロバーツはフランク一味を追い込んでゆく。おりしも、ベトナム戦争でアメリカは敗退。フランクは最後の輸送機で大勝負をかける。その麻薬を追う麻薬捜査班たち。骨太の男と男のぶつかり合いだ。目が離せない展開が続く。

白人マフィアの支配に反抗するフランクの姿は、黒人の権利拡大と重なり、腐敗した警官組織はベトナム戦争で疲弊したアメリカの姿を象徴するかのようだ。ニューヨークの汚れた町や、古い車の流れなど時代考証もじっくり手間をかけていることがわかる。タイの山間部のケシ栽培部落やバンコクのゴーゴーバーの様子もしっかり描かれている。ちなみに大麻栽培の親玉は中国の国共内戦の生き残りの国民党軍で、雲南省から流れてタイ北部に住み着いた兵士たち。この人たちは現在でもひっそりと暮らしているのだ。
見ごたえ十分の2時間半でした。

 


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hash

久しぶりに、見ごたえのある映画でした。
by hash (2008-02-14 01:36) 

やまびこ3

長さをかんじさせませんでしたね。
by やまびこ3 (2008-02-14 22:49) 

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