広島旅日記(その1) 鞆の浦漫遊編 [やまびこ(旅日記)]
風光明媚な港町、鞆の浦
夏休み後半、2泊3日の広島への旅。
1日目(8月4日)でございます。
JALのマイルを利用して、広島空港へ。
広島県の東寄りに移転した広島空港は福山にも近く、この機会に鞆の浦に行ってみようと計画します。
福山駅までの空港バスを降りると正面の福山駅まではるかかなた。
これではお年寄りや子供連れは大変だろうなあ。
いかに工事中とはいえ、これはひどい。
こういう都市計画をプランする県や市の役人は自家用車ばかり使って、バスと新幹線の乗り継ぎなんかしないに違いない。
鞆の浦に向かうバスはその名も「トモテツバス」。お笑い芸人みたいな名前ですが、福山と鞆の浦を結んでいた軽便鉄道の鞆鉄道の走っていた路線です。
ローカルには珍しく、日中でも15分毎の運行をしており、利用者も結構多そう。
乗りこんだバスは都営バスのお下がりでした。
福山市内から芦田川に沿って下り、海に出ます。
30分ほどで鞆の浦につきます。
観光センターで地図でも貰って行こうと思ったら、「鞆鉄道資料館」というコーナーを発見。
これはこれは、、、、と思って見学しましたが、写真はかなりあるものの鉄道関係の資料は時刻表が数点あるぐらい。むしろ古いバス関連の資料のほうが数多く保管されているようです。
なにしろ昭和29年にはもう廃止されてしまった古い軽便鉄道ですので資料もあまり残っていないのでしょう。
昼食に鯛飯をいただいた後町歩き。
江戸時代の古い街並みが残っています。
港町の風情
保命酒の蔵元がたくさんある
薬草酒の一種です
タコ之浦、いえ鞆の浦です。
高台にある対潮楼に上ります。
福禅寺という寺の境内ですが、対岸の仙酔島と海峡が素晴らしい。
朝鮮通信使が毎回滞在したところで、眺めもよく、今日は心地よい風が吹いています。
額縁の中の絵のような風景をめでる
海援隊の商船”いろは丸”を模した連絡船
このあたりで、坂本竜馬の海援隊の商船”いろは丸”が紀州藩の船と衝突して沈没してしまったそうです。
ここで坂本竜馬は紀州藩相手に損害賠償請求を行い多額の賠償金をせしめたと歴史にあります。
港に行ってみます。
これが有名なシーンです。
鞆のシンボル、常夜灯
ガンギと呼ばれる階段状の港施設
水戸黄門にでてくる悪徳廻船問屋が荷降ろししているような港です。
この港の一角に、重要文化財の民家、太田家があります。
太田家住宅
大阪から移り住んだ商人が福山藩の免許を受け作った保命酒で財をなしたそうです。当時の当主は中村さん。
その後、明治維新で藩の肥後がなくなり、太田さんの手で手入れされていたとのこと。
民家と酒造工場が保存されています。
ボランティアのおばさんの説明を聞きながら一回り。
(写真撮影は制限されているのですが、許可を得て撮影)
モダンな酒造工場
工場のほうは江戸時代とは思えないほどのモダンさです。さいころを模した壁の模様。曲線を取り込んだ入り口や窓枠など見るべきものはたくさんあります。
粋をこらした住宅兼商店
住宅のほうは、華美な作りではないですが、簡素な中にも粋な意匠があちこちに取り入れられたもの。空間の使い方ではっとするようなはからいが感じられるものです。
最後に港を見下ろす医王寺に上りました。
ヘッドの写真がそこからの俯瞰で、なんとも伸びやかで明るい景色です。
鞆の浦といえば、保存市街地を抜ける道路建設が裁判で争われたところ。
県の計画では、
点線の部分の橋をかけて県道を通します。
右手の方には埋め立て地を造成し、観光客向けの大駐車場を整備するという計画のようです。
反対派による工事差し止めが提訴され一審では反対派が勝訴。
しかし、県や市はあきらめているわけではありません。
また地区の住民は賛成派のほうが多数派と言われています。
景観より観光客誘致、利便性追求という現実的な要求が強いのもわかります。
この計画に対し、どうこう言う立場にはありませんが、橋ができたらこの歴史的景観はせまい空間に閉じ込められてしまい、いまの広々とした魅力はなくなってしまうだろうなとは思います。
そろそろ広島に移動しましょう。
福山駅に戻り広島に向かいます。
ちょうどやってきた新幹線こだまがレールスター編成でしたので、こりゃいいわいと乗りこもうと車掌に聞いてみますとなんと広島まで1時間以上かかる。ひかり、のぞみなら25分なんですが・・・・
いくらなんでも退避のしすぎ!
後続のひかりでおとなしく行くことにしました。
遅すぎる割に特急料金の安くないこだまの処遇は難しいですなあ。
福山駅前の様子詳しくは知りませんが、現場を顧みないお役所仕事がまかり通っているようですね。
せっかくの景観をなぜ破壊するのでしょうね。道路や新幹線が夢を運んでくれる時代は終わったと思うんですけどねぇ。
by サットン (2011-08-09 20:51)
サットンさん
東日本に住んでいるものとしては、西日本には古い街並みがたくさん残っていてそれだけでもうらやましい感じです。
また、仮に橋を造っても活性化にはつながらないような気がしました。観光バスでやってくる団体さんを期待しているのでしょうけれども、日本全体に言えることですが、観光業者にはもっと個人客を大切にする施策を進めてほしいと思います。
by やまびこ3 (2011-08-09 23:47)
日本中でいまだに行なわれている、勘違いした観光開発はそろそろやめたほうがいいですね。<変わらずに残る>事が観光客誘致につながるということが、なぜわからないのだろう?
by Cedar (2011-08-10 00:29)
Cedarさま
生活道路の拡充という面もあると思いますが、なんとか知恵を出しあっていい決着を見てほしいと思います。
by やまびこ3 (2011-08-10 19:06)
個人客を大切にするというコメント、まさにそのとうりだと思います。例えばセキュリティーソフトの某企業HPをたまたまみたら 法人のお客様 個人のお客様 と区別(分別)されておりますね。分別はゴミだけにして欲しいものです。
by 斎藤 ☆ (2011-08-10 19:47)
斉藤 ☆様
コメントありがとうございます。
近年ではホテル・旅行業界では個人客を大事にする企業の業績がかなり良くなってきているようで、一部ではありますがそういう動きはあるようですね。特に旅行ではこれ重要なポイントです。
by やまびこ3 (2011-08-10 22:20)