「EL栃木・福島」号 新緑撮影記 [はつかり(鉄系)]
「EL栃木・福島」号 新緑撮影記
2015.6.6 雨のち晴れ間、東北本線・旧型客車撮影記
6月6日(土)に運行された、団体列車「EL栃木・福島号」
横浜-郡山間で運転されたこの列車、JR東日本の稼働可能な車両全部の旧型客車7両という長編成を電気機関車で引いてゆくという古き良き時代(60年代~70年代)の東北本線を再現した空前絶後の企画でした。
これはぜひカメラに収めたいと思っておりました。パンフレットを入手して編成図を眺めてみますと・・・・
これはどう見てもED75じゃないの?
表紙の写真は(イメージ図)と断りながら、EF81 95というラッピング機関車なのですが、下のイラストはED75に見えますよ。もしかすると黒磯での機関車交代というイベントも含めての再現運行なのかもしれない と考えてしまったのです。こうなると、ぜひとも黒磯以北の交流区間で撮影しなくてはいけません。
(まあこの予想は大外れだったわけですが・・・)
というわけで折から発売中のスーパーモバ特(東京-新白河2980円)を用意しました。
さて、当日、EF81 97号機がけん引して車両基地の高崎から横浜に回送列車が走っているという情報をキャッチしつつ、いったん横浜に向かいます。横浜で回送列車か、出発前の風景を撮れればと思っておりましたが、意外に回送されてくるのが遅く、横浜駅入線シーンをとりあえず撮影しておくのみとなりました。
横浜駅に進入する旧型客車
EF64 1001は横浜駅での機回しを省略する
プッシュプルの横浜方の機関車
横浜(658)-[1526E]-(727)東京
東京(744)-[やまびこ205号]-(911)新白河
新白河(919)-[2129M]-(923)久田野
さて、福島県内のどこで撮りましょうか?
下り列車の撮影ポイントとして白坂のカーブや白河-久田野間のカーブと直線が思い出されますが、どれも今一つ。
東北本線らしい、平凡な丘陵の中をゆくところ、望ましくは「酒は大七」の看板が写りこめばいうことない。(この看板は、経営者の方針で更新しないことになったので急速に数を減らしています。3年前に本宮付近で見かけたのですが、郡山以南ではもう無理か?)
というわけで、地図であたりを付けたのは、久田野-泉崎間の丘を短いトンネルで抜けるところの周辺。
「EL栃木・福島」号がここに来るのは13時近くなり、曇り空もそれまでには晴れる期待もあります。
無人駅の久田野にトウチャコ
まず、駅すぐ北側の踏切に行ってみます。
今日は白河市で”ゆるきゃら”を集めたイベントが行われており、そこに向かう臨時列車が盛岡のJT「ジパング」で運行されます。
奥の方にカーブした線路が見えて、上り列車をなんとか撮影できそう。カーブの先はトンネルになります。
カーブを回ってくるJTジパング「ご当地キャラ白河号」
この場所で旧客の返しを撮れないかと思いましたが、4両ぐらいがいいところのようです。
このあと、トンネルの反対側に北上します。最初、国土地理院の地図に載っている細道を行こうと思って入ってみましたが、線路にほぼ平行したこの道、(昔の線路跡ではないかと思います。)近年使われていないらしく、入り口付近は何となく道らしき形跡がるものの、樹木が生えてきてしまっており途中で断念。引き返しますが、入り口を見失ってしまいました。藪を抜けてえいやっと踏み出したら、ずぶりと用水路に踏み込んでしまいました。泥まみれになった左足をもう少しきれいな水路で洗い流したことです。
やむなくこの丘を大きく回って途中からこの線路跡道路に取り付くことができました。直線を抜けたところでトンネル出口に到達。単線トンネルが2本口を開けています。
横にそれるとトンネルポータルの上に出ることができますが、カーブしているうえ、架線柱の位置が悪くこのポイントは長い編成の列車撮影には向かないようです。
トンネルを抜けると、線路は大きく右にカーブしほぼ東西に走るようになります。平行する道路(旧線あと)はしばらく築堤になって並行しています。この築堤から線路際に降りる小道が何カ所か作られていて、その一つを撮影場所に定めました。実は反対側に平行する農道にも行ってみましたが、そちらは障害物が多く今ひとつ。
8両編成をとらえられるこのポイントで撮影しましょう。
何本か貨物列車が通過しました。
2次型の7号機が牽引してきた3087列車
初期型の塗装のほうがカッコイイ
3083列車
昼から晴れるという予報だったのですが、明るくなったり暗くなったりしつつも晴れ間は出てきません。
EF81の牽引する旧型客車がトンネルを抜けてカーブしてきました。あわよくばと期待した機関車交代はやはりなかったようです。
引きの構図も
客車1両目に狭窓のスハフ32が入っているのですが、乗っているファンの楽しそうな様子が手に取るようにわかりました。乗ればよかったか~!
この後磐越西線に行くということも考えたのですが、返しの回送列車は16時過ぎに通過すると思われましたので、このままとどまることとします。
トンネル前後でポイントを探すもあまり気に入らず、結局駅まで戻って西側の高台に行ってみました。ちょっとした公園があり、ためしにとってみると
719系の普通電車が来ました
悪くないのですが、ここで8両編成を撮るには脚立でもないとかなり苦しい。
ふと後ろを見ると駅の背後に岩山がそびえています。(駅写真の背後にある岩山)
ここに上ろうと思います。(南側からの写真)
岩がむき出しになっているのは、石切り場か何かの跡で、中腹が平らになっていて、そのまま放置されている感じ。
地図を見ると南側に近くまで行けそうな道がありました。と冒険心をおこしていってみます。道路は石切り場まで続いていたように見えるのですが、途中から木々生い茂って進入不可能な模様。手前で別れた道の突き当りにちょっとした広場(ベンチのある公園?)があり、その横の斜面なら木が生えていなくて登れそう。(樹木が生えていないのは石切り場から捨てられた採石がつみあがっていることの裏返しではあるのですが・・・)
しかし何とか直登することができて、中腹の平たん部の南側側面にたどり着くことができました。平坦な部分は岩山の南側から東側に広がっているので、あとは東面に移動すればよいのです。
が、、、下は岩がごろごろしているうえに灌木が茂っており、結構とげとげの枝があり、進むのも結構大変。数10メートル進んで手を見ると血だらけになってしまっていました。
これ以上進むのは危険!あおたけさんの二の舞になってもやばいので、東側斜面に出るのはあきらめて南側のヘリまで行ってみます。多分どなたかが来られたことがあるのか、都合よく岩が張り出していて、そのあたりだけ視界が開けています。ここからだと東北本線の久田野駅の北側は見えず、返しの旧型客車は後追いになってしまうのですが、それもまた一興という気分になりました。
そこへやってきた下り貨物列車・・・
3055列車のようです
いい眺めではありませんか。
これで日が出てくれればすばらしい。
留置されていた郡山から、一旦白河に回送された「ジパング」が白河から戻ってきました。
盛岡から借り入れた「ジパング」編成
ピン甘ですみません
今度は上り貨物列車3050列車です。
広々した水田地帯を行く貨物列車
1キロほど先の農道に同業者が1列に並んでいるのがわかります。
旧型客車がなかなか来ないので気をもんで待つうち、雲が切れて日差しが差してきました。
何本か上りの貨物と普電を見送ったあと、EH500の甲高いブロア音とはちがう電気機関車の音が山影から聞こえてきます。
「EL栃木・福島」返却回送列車
編成をアップで・・・
テールにでっかい反射板をつけているのでテールライトが見えないのは残念ですが、美しい軌跡を残して上ってゆきました。
機関車は☆Ξ付のEF81だし、背面には日が当たらないので反射板が目立たないので、まずまず後追いでもよかったのではないかと思われました。
次の期間があるかどうかわかりませんが、一度はまた乗ってみたい旧型客車の旅でした。
今回の復路も郡山-宇都宮ぐらいで客扱いすれば良かったのに。
山をおりて、帰路につきます。
久田野(1728)-[1152M]ー(1737)新白河
新白河(1751)-[なすの280号]ー(1910)上野
<大満足>
茶色い客車に赤い電機、昔はごく普通の風景でした。(当時はやはり黒い蒸気がいいと思っていた)
ED75の方が旧客にはにあうんですけれどね。
by suzuran6 (2015-06-11 12:07)
茶色のEF64 1001は、見たことなかったです。
しかも、横浜駅とは、、。
by 海のアングラーしんちゃん (2015-06-13 11:20)
ラストの岩山からの俯瞰、苦労した甲斐がありましたね。
後追いで撮っているのも旧型客車の編成美が表現されniceです。
by しおつ (2015-06-13 15:48)
水田を見ると日本人でヨカッタと思います。
なんで先週は横浜に行かなかったのだろう?
そうだ、歯科通院・・・今週も、そして抜歯しました。
山登り気をつけてください!私は夏場は無理です。
by hanamura (2015-06-13 15:53)
東北線の旧客、
やまびこさんは白河まで行かれたのですね!
たしかにこの編成には81の星罐よりも、
ED75のほうが似合いますよね。
久田野の俯瞰ポイント、雄大でいい景色ですね〜(^^)
by あおたけ (2015-06-14 07:45)
suzuran6さん
本当は茶色だけでなく、青い客車も交じっていると、60~70年代の客車列車の雰囲気が出るのですが、それはしょうがないですね。
次チャンスには乗るぞ!
by やまびこ3 (2015-06-14 18:45)
しんちゃんさん
コメントありがとうございます。
EF64-1001は、製造当初から茶色だったわけではなく、これはJRになってから高崎に旧型客車を集めたのに合わせて色を買えたんです。今回横浜までの旧型客車のエスコート役に抜擢されました。
by やまびこ3 (2015-06-14 18:47)
しおつさん
前面扉のないEF81に旧型客車というのは、私にはやや違和感があるので、後ろ姿がかえって良かったかもしれません。登るのは大変でしたが、すがすがしい水田の景色を走る客車列車をキャッチできたのは幸運でした。
by やまびこ3 (2015-06-14 18:50)
hanamuraさん
歯医者私も通ってますよ。
広い水田がきっちり耕作されているのを見るとほっとしますね。
客車から見ても気持ち良かったかな。
by やまびこ3 (2015-06-14 18:52)
あおたけさん
やはり白河の関を過ぎると気分が違います。岩山からの俯瞰、EF81の流星も目立たなくて、結構よかったのではないかともいました。
by やまびこ3 (2015-06-14 18:59)