アルプスの峠を訪ねて(その7-2 ラントヴァッサー橋) [やまびこ(旅日記)]
アルプスの峠を訪ねて
(その7-2 ラントヴァッサー橋)
4月30日 PM
Bergun(1147)-[RegioExpress 1132]-(1159)Filisur
Filisurフィリズールに向かいます。フィリズールと言ってもご存じない方が多いでしょうけれど、Landwasserラントヴァアッサー橋の最寄駅と言えば、鉄道に興味のある方ならご存知でしょう。
氷河急行も走るこの石造りの橋。2004年に世界遺産に登録されたアルブーラ線の中心となる景勝地です。
高さ65m の橋。高さもさることながら、Tiefencastel - Filisur間にかかるこの橋のFilisur側はカーブした橋を渡ってそのまま断崖の一枚岩に穿たれたトンネルに飛び込む形態になっているため車窓からももちろん、沿線からもそれを眺められる欠かせないポイントになっています。
Bergun-Filisur間もアルブーラ側に沿った断崖をゆく絶景区間で3日前に来るときには気が付きませんでしたが、ループ線もあり深い谷を見下ろしながら走る様子は美しいものでした。15分ほどでFilisurに到着。ダボス方面の支線を分ける中核駅ですが、2面3線の小さな無人駅です。
Filisur駅、小さなカフェが入っています
フィリズールの有名な宿が、駅に隣接するHOTEL GRISCHUNA。本来、サメダンに行く前にこちらで宿泊するほうが順路なのですが、4月末のこちらのホテルが満室だったため、順番を変更していました。
駅前ホテルHotel Grischuna
兼業するレストランの営業で忙しそうに働くご主人マダムのもとチェックインすると
マダム:「あなたは鉄道が好きだろうから、2階の角部屋がいいわね!」
やまびこ:(むむむっ!何で知っているんだ?)「は、それはそうで・・・」
マダム:「じゃ、2階(欧州の1階)の5号室、これ鍵ね。」
「外出するときはここに鍵を指して、ちいさな鍵を持ってってね」
なんと、カギを格納する鍵ロッカーがありました。
昔ローカル線にあったタブレット発行器みたいなしかけです。
で、指定された2階に上がりますと・・・
2面ある窓からはフィリズールの駅構内が丸見え!
ベッドから身を起こしただけで列車が眺められます。
このホテルは実はヨーロッパのテツっちゃんの間では有名なトレインビューホテルなのです。日本から予約してくるのはほとんどテツなのかもしれません。
ちょこっと休憩していると、アルブーラ線の列車がやってきました。アルブーラ線の上下列車、さらにダボス線のローカル列車がここで行き違い、接続するダイヤになっています。
そんでもって、こちらに向かってくるアルブーラ線の南行列車をうまい具合に撮影できます。
その列車の後ろの方に・・・・
なんかついてる!
なんか古い客車がついている・・・。あ、オリエントエクスプレス風の食堂車。
な~んと・・・。こんなのが走っていたのか!
でも、これの返しもきっと走るに違いない。
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さて、翌日は雨の予報だったので、今日のうちにラントヴァッサー橋を見に行こうと思います。そこは世界遺産ですからランドヴァッサー橋を眺める展望台が用意されていまして、そこに向かう
コースも整備されています。駅から西に出て線路沿いの道を進んでゆきますとこんな標識が・・
お~、こっちに行けばいいのね
恒例の地図ですが・・・
2本の線路に挟まれた点線の小道を進んでゆきます
そして林間の道を進んでゆきますと・・・
世界遺産の看板の奥に・・・
お立ち台発見です!
地形図のA地点につきました。立派な木製テラスの展望台が作られていました。小雨が降っているのが恨めしい。
西側から山の中腹を縫うように進んできた線路がShumitt橋とラントヴァッサー橋の2つを渡って、足元の岩に吸い込まれています。月並みですが・・・絶景です!
シュミット橋を渡るRegional Express
ランドヴァッサー橋を渡ります
サンモリッツ行きの列車が、西からやってきました。
そして、シュミット橋にかかります。つづいて、ラントヴァッサー橋にはいり、スローモーションの映画を見るように、岩に吸い込まれてゆきまhした。
続いてフィリズールで交換した北行列車、絶壁から飛び出す列車をキャッチ。
高さ65mだそうです
今日は駆け足でお立ち台を巡ります。
駅に戻る途中から線路の下をくぐる小路が分かれていてそこを降りて行って牧場を抜けると川を渡って対岸に移動できます。そこから川に沿ってさかのぼってゆくと分岐点があり、右に行くとラントヴァアッサー橋、左に行くとシュミット橋ですが、真ん中の尾根に沿った登山道を登ってゆきます。
アルブーラ線をくぐって
牧場を歩いて
シュミット橋が見えてきました
分岐点に来ました
お立ち台を目指します
シュミット橋が近づいてきました
シュミット橋の下をくぐって、線路のレベルに到達
さらに上りますと、うぉ~お、、、お立ち台です。
断崖絶壁の上に木造(土台は金属フレームかもしれませんが)のお立ち台が作られています。Cポイントですね。
第2のお立ち台トウチャコ
絶景です!
ここで2,3本撮影します。
少し戻って、西から列車が入ってくるところを待ちます。
シュミット橋に差し掛かるRegio Express
ぐ~んと接近してきます!
ラントヴァッサー橋を渡ってトンネルへ
いや~、こりゃあすごい!こんなに楽しめる場所はそうはありません。う~ん、すごい。さすが世界遺産。
今度は北行列車が来ました。
トンネル飛びだしは、わかりにくいのですが、ここの場合はU字型の線路の奥の部分なので、対岸を見え隠れしながら接近してくるところがある程度分かります。
眼下を行くRegio Express
今度はトンネルから飛び出してくるところを撮り、ラントヴァッサー橋上で、何枚か。
さらにシュミット橋を渡るところまで、大スペクタクルですわ。
シュミット橋を過ぎて西に向かってゆきます
最後は、ランドヴァッサー橋直下の観察スペースに向かいます。
台はありませんのでお立ち台とは言えませんね。
先ほどの分岐点ポイントBまで下りて、シュミット橋~ラントヴァッサー橋を渡る南行列車を撮影。
急いで橋の直下のDポイントまで移動して、北行列車を撮ろうと思ったのですが、意外に遠くて間に合わず撮り逃してしまいます。で、木の葉の間からみていたら、さっきの古典食堂車、この列車に連結されて戻ってきていました。
が~ん、失敗した。
下から見上げるとすごい高いですね
反対側にも回ってみます
列車を待つ間に持参したスイス鉄道の時刻表(PDF版)をしげしげと眺めますと、ちゃんと食堂車連結列車が明記されていました。土日のみ、どこかの旅行会社の主催ツアーで連結されているみたいです。ということは明日も食堂車の連結がありそうで、どこかで狙ってみたいと思います。
スイス鉄道の時刻表ですが、一般的には、乗車駅、下車駅、日時を入力して最適列車を検索する対話式のものが利用されると思いますが、スイス鉄道ではこの画面から指定した時間内のすべての乗継をPDFで出力してくれるサービス、さらには路線ごとの時刻表形式のページ(路線の番号を別のページで調べる必要がありますが:左のページ内のNetwork map for vol.1をクリックしてPDFを取得)も用意されており、かつ、過去の分も出力可能とまさに至れり尽くせりです。
下から列車を見上げます
ついでに記念撮影もしておきます。
ラントヴァッサー橋を堪能し、帰りは集落に直行する遊歩道を歩いて戻ります。
集落に出るといかにもアルプスの小村のような景色が広がっていました。
さらには
Bergunに向かう列車
山深いアルプスの奥の町です。
いいですね~。
ゆっくり滞在したいですが、なかなか・・・
夕食はホテルのレストランでいただきます。山中のことゆえ、各ホテルのレストラン以外に食堂はないのです。このホテルのレストラン、結構な有名店らしく、土曜日のディナータイムには近在の家族連れや夫婦がやって来て楽しそうに食事をし、おしゃべりを楽しんでいるようでした。
地元のワインでラントヴァッサー橋に乾杯
ステーキの定食にしました
おいしいけど、毎日こんなのを食べていたら財布が根をあげますね。
<続きます>
見下ろしても、見上げても、65m!絶景!
一番恐怖を感じる高さ(?)ではないでしょうか?
ステーキ・ソースがぁ・・・なんだろう?美味しそう!
by hanamura (2016-07-08 05:33)
hanamuraさん
見上げてよし、見下ろしてよし。近づいてよし、離れてよしです。
こんなのを19世紀に建設する人間ってすごいなあ。
ソースはペッパーソースといっていました。
by やまびこ3 (2016-07-09 09:50)