『キャデラック・レコード ~音楽でアメリカを変えた人々の物語~』 (★★★★☆) [あおば(映画)]
1950年代のシカゴで黒人の音楽をビジネスとして成功に導いたレナード・チェスの半世紀。
天才的なギタリストでボーカリストのマディ・ウォーターズとハーモニカ奏者リトル・ウォルターを発掘したチェス(エイドリアン・ブロディ)はレコード会社を起こして、勃興してきたラジオ、音楽産業に参入し成功を収める。
儲けた金をボーナスとしてキャデラックを現物支給するチェス。
チャック・ベリー、エタ・ジェイムズ(ビヨンセが演技)とヒットを連発し、ピークを迎えるビジネス。しかし、いいことばかりは続かない。黒人シンガーたちの間の確執、エルビス、ローリング・ストーンズ、ビートルズ・・・白人たちに手によるロックミュージックの興隆。縮小する市場、薬に走るミュージシャンたちの後始末に疲れきったチェスは、ビジネスに終止符を打つことを決めるが・・・・
2年ほど前にヒットした「ドリーム・ガールズ」の焼き直しのような面もあるが、黒人の権利拡大の歴史を音楽でたどり、ミュージシャンたちの人生をあぶりだしてゆく。
こういう50年代のアメリカって迫力があって、明日はよくなるってみんな信じ切っていていいなあと思うのです。
お勧めします。
素直に楽しめる 『G.I.ジョー』 (★★★★☆) [あおば(映画)]
久し振りに映画鑑賞しましテン
国際テロ組織に秘密兵器を奪われてしまったNATOの隊員デュークとリップがNATO配下の特別部隊、G.I.ジョーに参加して、敵の手から兵器を取り戻そうと活躍する。
この秘密兵器が凄い!。金属を食べる?ナノロボットをカプセルに詰め込んでばらまくってものだ。相手をやっつけた後で、始末しないといけないから、当然、無線で行動をストップさせることができるようになっている。ナノテクノロジーで作ったマイクロロボットの究極の姿はこんなところまで行ってしまうのか。
G.I.ジョーの隊員が身に着ける戦闘スーツがこれまたすごい。人間のパワーを数百倍に拡大する、今、いろいろなところで研究されている介護用のスーツの究極の姿ですね。
G.I.ジョーが使っている攻撃機兼輸送機がなんともかっこいい。シロナガスクジラのような胴体が黒光りしてすごい。
イ、ビョンホンが敵役で出ているが、この少年時代のエピソードが問題。韓国人が日本で中国人に鍛えられているような感じで東アジアごちゃまぜな演出が行われてしまっている。
ハリウッドのこのいい加減さを何とかしないとこれ以上の相互理解はむずかしいな。
まあ、痛快サスペンスで十分楽しんだので、ないものねだりかもしれないが。
国際テロ組織に秘密兵器を奪われてしまったNATOの隊員デュークとリップがNATO配下の特別部隊、G.I.ジョーに参加して、敵の手から兵器を取り戻そうと活躍する。
この秘密兵器が凄い!。金属を食べる?ナノロボットをカプセルに詰め込んでばらまくってものだ。相手をやっつけた後で、始末しないといけないから、当然、無線で行動をストップさせることができるようになっている。ナノテクノロジーで作ったマイクロロボットの究極の姿はこんなところまで行ってしまうのか。
G.I.ジョーの隊員が身に着ける戦闘スーツがこれまたすごい。人間のパワーを数百倍に拡大する、今、いろいろなところで研究されている介護用のスーツの究極の姿ですね。
G.I.ジョーが使っている攻撃機兼輸送機がなんともかっこいい。シロナガスクジラのような胴体が黒光りしてすごい。
イ、ビョンホンが敵役で出ているが、この少年時代のエピソードが問題。韓国人が日本で中国人に鍛えられているような感じで東アジアごちゃまぜな演出が行われてしまっている。
ハリウッドのこのいい加減さを何とかしないとこれ以上の相互理解はむずかしいな。
まあ、痛快サスペンスで十分楽しんだので、ないものねだりかもしれないが。
単純なサスペンスに・・・『MW-ムウ-』 (★★☆☆☆) [あおば(映画)]
太平洋の孤島で、米軍の毒ガス漏えい事件に巻き込まれてしまった2人。16年後、現在はエリート銀行員の結城美智雄(玉木宏)と神父の賀来裕太郎(山田孝之)。2人の周りで、沖の真船島の関係者をめぐって、いくつもの事件が起こる。
事件を解決しようとする刑事(石橋凌 )と16年前の事件を追いかける新聞記者(石田ゆり子)が事件に巻き込まれてゆく。
復讐に燃える人間の異常さをとおして人間そのものの醜さを訴えているが、セクシャルなエピソードがそっくり省略されてしまっているので、なんだか、ちょっと刺激的な2時間ドラマを見ているような気になってしまった。
表現のしようはいくらでもあると思うがな。
背景をはしょったら意味がないよ・・・『真夏のオリオン』 (★★☆☆☆) [あおば(映画)]
北川景子が出演する、そして、大好きな潜水艦ものとくれば見ないわけにはいかないんだが。
終戦まじかの日本。呉から出撃した日本海軍の潜水艦イ-77と米軍の駆逐艦の激戦、艦長同士のギリギリの神経戦を描いたものだ。潜水艦という閉じられた空間で頭上の敵と深海の恐怖と闘いながら、孤独な戦いを続けなければいけない艦長のギリギリの心理をどこまで描けるかが楽しみなのだ。
イ-77のモデルとなったイ-58というのは、終戦間近に米重巡洋艦インディアナポリスを撃沈した艦で、このインディアナポリスというのは、広島と長崎に投下された原子爆弾をテニアン島に運んできた、そのあとフィリピン方面に向かう途中で沈没したっていうのが史実である。
原作本はこれ↓
この小説では史実に加えて、3個目の原子爆弾をフィリピンのマッカーサーに届ける途中で沈没したって設定になっている。マッカーサーの発言力を抑えるために、原子爆弾を渡したくない米軍の勢力が、日本軍にインディアナポリスの進路を漏らしたっていう推定も加えられていてサスペンスタッチの戦記となっている。
ところがである、映画のほうはこういった背景を全部省略して、単にタンカーと護衛艦をターゲットとする戦いになってしまっっていたので、スケールがちっちゃくなってしまった。
主演の玉木君も少し明るすぎるキャラクターで、もったいない演出でした。
フリゲート艦のほうは実際の米軍?の軍艦を使ったようで、リアルだったんだけど、潜水艦は模型でとった部分が多いのか、かなり迫力不足でこの点でも残念。
ノベライズ本のほうは↓
でもね、一番読んで面白いのはこちら↓
終戦まじかの日本。呉から出撃した日本海軍の潜水艦イ-77と米軍の駆逐艦の激戦、艦長同士のギリギリの神経戦を描いたものだ。潜水艦という閉じられた空間で頭上の敵と深海の恐怖と闘いながら、孤独な戦いを続けなければいけない艦長のギリギリの心理をどこまで描けるかが楽しみなのだ。
イ-77のモデルとなったイ-58というのは、終戦間近に米重巡洋艦インディアナポリスを撃沈した艦で、このインディアナポリスというのは、広島と長崎に投下された原子爆弾をテニアン島に運んできた、そのあとフィリピン方面に向かう途中で沈没したっていうのが史実である。
原作本はこれ↓
この小説では史実に加えて、3個目の原子爆弾をフィリピンのマッカーサーに届ける途中で沈没したって設定になっている。マッカーサーの発言力を抑えるために、原子爆弾を渡したくない米軍の勢力が、日本軍にインディアナポリスの進路を漏らしたっていう推定も加えられていてサスペンスタッチの戦記となっている。
ところがである、映画のほうはこういった背景を全部省略して、単にタンカーと護衛艦をターゲットとする戦いになってしまっっていたので、スケールがちっちゃくなってしまった。
主演の玉木君も少し明るすぎるキャラクターで、もったいない演出でした。
フリゲート艦のほうは実際の米軍?の軍艦を使ったようで、リアルだったんだけど、潜水艦は模型でとった部分が多いのか、かなり迫力不足でこの点でも残念。
ノベライズ本のほうは↓
でもね、一番読んで面白いのはこちら↓
懐かしいものいっぱいの奇作 『ラスト・ブラッド』 (★★☆☆☆) [あおば(映画)]
チョン・ジヒョンが出てるってだけで見たのだ。
原作は、日本のコミックのようですが、十二分に妖しい奇作でした。
チョンジヒョン(英語名ではGIANNA)が演じるサヤは、ある組織と組んで
父親のかたきであるオニゲンを探し出して仇をうとうとしている。
オニゲンは鬼族の頭領。そう、これはオニ族とホモ・サピエンスの種族間の争いを
背景にしているのだ。
舞台は、1970年の日本、米軍の関東ベース(横田基地っぽかった)のハイスクールに
組織はサヤを送り込んだ。オニ族は変身自由自在なので、基地内にもオニを侵入
させていたのだ。サヤは大人との軋轢に苦しむ司令官の娘、アリスと不思議な
関係になってゆく。
米軍を手の内に入れようとするオニ、オニに近づきオニゲンに近づこうとするサヤ。
少しずつサヤの正体が明かされてゆく。サヤは人間の血を飲まないと生きてゆけないのだ。
おさっしのとおり、サヤはヒトとオニのハーフだったのだ・・・・・
懐かしいものをいくつか発見。
サヤの登場場面。サヤが一人で地下鉄に乗っている。
具合悪そう・・・・。このまま、ゲロはいてしまうんではないかと思いました。
「猟奇的な彼女」じゃん!
乗ってた電車は赤い地下鉄、丸の内線のよう。ほんとに走っていたいたから
このシーンはブエノスアイレスでロケしたのかしら・・・
それともCGか!
(丸の内線電車なのに浅草行きってアナウンスが流れたのには笑えた。)
1970年の日本という設定だが、風俗はどうみても1950年代。
車は古すぎるし、米軍がこんなにのさばっているわけはないよ。
そして、そして一番懐かしかったのは・・・・・
倉田保昭さん、サヤの養育係のカトウとして登場したこの中年男性。
以前はアクションスターとして大活躍、その後、香港映画で活躍されていましたが、
久しぶりで、お会いできました!(Gメン75が懐かしい)
家族を考える作品 『重力ピエロ』 (★★☆☆☆) [あおば(映画)]
小説のほうは読んでいませんが・・・・・
「春が2階から落ちてきた・・・」というフレーズのCFがかなり印象的だった、この作品。仙台のロケがふんだんに入っているという興味もあって、見させていただきました。
出水と春の兄弟が暮らす仙台の街で起こったなぞの連続放火事件。事件に興味を持った2人が探るうち、ある規則性を発見する。そのなぞは彼らの家族の秘密につながっていたのだった。
残念ながらサスペンスとしての出来は水準を超えるものではないようです。
犯人は、最初のほうでわかっちゃうし、家族の絆みたいなものを訴えるようにも感じられなかったし、ちょっと残念。
(あくまでも、画面を見ての感想ですから・・・)
肝心の仙台らしい風景は、八木山からながめた無秩序に広がる醜悪な住宅地・・・ぐらいかしら。
インディ・ジョーンズ化しつつあるラングドン教授! 『天使と悪魔』 (★★★★★) [あおば(映画)]
(少々ねたばれヒントあり)
CERNで作られた反物質を強奪した秘密結社イルミナティが、枢機卿4人を誘拐して、バチカンに圧力をかける。
事件を解決するために召集されたラングドン(トム・ハンクス)が教皇の執事であるカメルレンゴ(ユアン・マクレガー)と協力し、事件の解決を目指す。
犯人は4人の枢機卿を1時間ごとに殺害し、最後には反物質を反応させてバチカンを地上から消滅させようとしていたのだ。犯人がカソリックと歴史的に対立していたイルミナティだと推理したラングドンは次々に犯行場所を推理してゆくが・・・・・
バチカンのシスティーナ礼拝堂、サン・ピエトロ大聖堂、ポポロ教会、サンタ・マリア・デ・ラ・ビットリア教会、ナボナ広場などローマとバチカンの観光名所を巡り事件は展開してゆく。
そもそも反物質があんなに寿命が長いか?バチカンの資料室が市中の停電と同期して停電しちゃうものなのか?どうしてラングドンはあんなに自信たっぷりに場所を特定して追いつめてゆくのか?などなど突っ込みどころは満載です。
前作『ダ・ヴィンチ・コード』より、キリスト教やヨーロッパの関する知識が少ななくても理解できる内容です。ドラマ自体もサスペンスというより、インディ・ジョーンズばりのアクション映画となっていますよ。トム・ハンクスが走る走る。
そうか、最初はアクション・ドラマとして楽しめという映画なのかと思ってしまったのですよ。
しかし、結末は違いました。仕掛けは事件の動機をしっかり考えてゆくことで浮かび上がってきます。どうして、大じかけの事件を起こさなければならないのか!どうしてラングドンが呼ばれたのか!最高級の推理ドラマが展開されていた。
CERNで作られた反物質を強奪した秘密結社イルミナティが、枢機卿4人を誘拐して、バチカンに圧力をかける。
事件を解決するために召集されたラングドン(トム・ハンクス)が教皇の執事であるカメルレンゴ(ユアン・マクレガー)と協力し、事件の解決を目指す。
犯人は4人の枢機卿を1時間ごとに殺害し、最後には反物質を反応させてバチカンを地上から消滅させようとしていたのだ。犯人がカソリックと歴史的に対立していたイルミナティだと推理したラングドンは次々に犯行場所を推理してゆくが・・・・・
バチカンのシスティーナ礼拝堂、サン・ピエトロ大聖堂、ポポロ教会、サンタ・マリア・デ・ラ・ビットリア教会、ナボナ広場などローマとバチカンの観光名所を巡り事件は展開してゆく。
そもそも反物質があんなに寿命が長いか?バチカンの資料室が市中の停電と同期して停電しちゃうものなのか?どうしてラングドンはあんなに自信たっぷりに場所を特定して追いつめてゆくのか?などなど突っ込みどころは満載です。
前作『ダ・ヴィンチ・コード』より、キリスト教やヨーロッパの関する知識が少ななくても理解できる内容です。ドラマ自体もサスペンスというより、インディ・ジョーンズばりのアクション映画となっていますよ。トム・ハンクスが走る走る。
そうか、最初はアクション・ドラマとして楽しめという映画なのかと思ってしまったのですよ。
しかし、結末は違いました。仕掛けは事件の動機をしっかり考えてゆくことで浮かび上がってきます。どうして、大じかけの事件を起こさなければならないのか!どうしてラングドンが呼ばれたのか!最高級の推理ドラマが展開されていた。
『チェイサー』 (★★★★★) [あおば(映画)]
韓国の猟奇殺人事件をもとにしたサスペンス。サスペンスというが、初めのほうで犯人は観客に提示されてしまう。
デリヘルを経営する元刑事のジュンホ(キム・ユンソク)。派遣した女性が行方不明になる事件が続く。行方不明になったミジン(ソ・ヨンヒ)を探すジュンホだが、派遣した住所に付近で、血の付いたシャツを着た男、ヨンミン(ハ・ジョンウ)を見つけ、警察に連れてゆく。女性を売り飛ばしたと疑ったジュンホだったが、ヨンミンは女性を殺したと言い始める。・・・・
警察は、ジュンホは生きたミジンを見つけることができるのか・・・・
一風変わったサスペンスが展開される。すっかり引きずり込まれてしまった。
正義の無能さ、ひ弱さ、一度悪いほうに転がりだしたときの、ミスの連鎖、運命のか細さ。そういったものが心を痛めつける。
必見!
『ウォーロード』 (★★★☆☆) [あおば(映画)]
ジェット・リー、アンディ・ラウ、金城武が共演しているとあっては見に行かないわけには行きませんね。
世は新王朝末期、太平天国の乱で混乱する中国。
官軍の指揮官だったパン将軍(ジェット・リー)は見方の部隊が全滅する中、アルフ(アンディ・ラウ)の率いる盗賊団の部落に救われる。2人とアルフの弟分のウーヤン(金城)の3人は義兄弟の契りを結び、清朝への義勇軍となって、太平天国の反乱軍の拠るところ、蘇州、南京の城を攻めてゆく。
パンは自分の目指す平安な社会を実現する大義のために、アルフはただ自分の家族と仲間の平安のために・・・・
そして、2人の間で揺れ動くウーヤンの心。
さらに、2人の確執を決定付けるのはアルフの美しい妻の存在である。
『レッド・クリフ』の絢爛豪華な世界とは無縁の戦場がそこにはある。
どす黒く、薄汚れた兵士たちの叫びが満ち満ちている。
苦悩を抱えつつも揺るがないパンの思い。
自分の世界を守ろうと必死のアレフ。
つい近年までの庶民の姿にも重なる。
中国の歴史にそれなりに詳しく、中国的な考え方を理解するかたには
◎な映画かもしれません。
『バンコック・デンジャラス』 (★☆☆☆☆) [あおば(映画)]
ご存知、猫羅須啓二・・・・じゃなくてニコラス・ケイジの殺し屋が、タイはバンコクに乗り込んで仕事を請け負う。
ニコラス・ケイジは好きじゃないけど、バンコクは大好きなので、見てしまった。
自分の引き際を感じていた殺し屋のジョーがバンコクに乗り込んで仕事をこなすうち、依頼主との連絡係の青年を弟子にして、自分の技を伝授してゆく。
薬屋の美人?店員とのロマンスなんかも芽生えてきて、いよいよ腕がなまっていったのか、ジョーは大きなミスを繰り返す・・・・ (ニコラス・ケイジも腕がにぶったのかも・・・)
水上マーケットやバンコクの迷路のようなソイ(路地)でのアクションが見もののスーパーB級アクションといったところか。