もっとシャウトを! 『エリザベス ゴールデン・エイジ』 (★★☆☆☆) [あおば(映画)]
16世紀後半、英国が世界を席巻するきっかけとなった対スペイン戦争を中心とした女王エリザベス1世の物語。この間も書いたけどエリザベス1世は織田信長と同世代の人間。あちらもこちらもきらびやかでバサラである。
父王ヘンリー8世が英国国教会を設立してしまったため、カトリック世界と対立していたイングランド。特に世界に覇を唱えていたスペインとは北米植民地を巡っても対立が厳しくなっていたころ。処女王エリザベスが思いを寄せるウォルター・ローリー卿との甘い関係、カトリック回帰を狙い幽閉されていた腹違いの妹メアリーとの辛い確執、そしてスペインの情報操作によりメアリーを処刑してしまったことへの苦い失意。さらには侍女ベスの裏切りと妊娠という衝撃。それでもエリザベスは国の民に命をささげた女王である。
カトリックの徒、メアリーを殺害されたことを口実に迫り来るスペインの無敵艦隊。迎え撃つ少数精鋭のイングランド艦隊。招聘を鼓舞するエリザベス(ケイト・ブランシェット)の雄たけびが見るものを揺さぶる。
戦い終わって、エリザベスは自分が国母となったことを悟る。そしてベスの裏切りも何も許すのである。
絢爛豪華な女王の衣装、まゆまでそりあげたケイト・ブランシェットの白い顔の迫力よ。彼女の雄たけびをもっともっと聞きたかった。
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