山彦的台湾鉄路漫遊記(その3) [やまびこ(旅日記)]
山彦的台湾鉄路漫遊記(その3)
2013.12.24 南回り線旧型客車旅
3日目
今回の旅のもう一つの目的。
台湾にたった1往復だけ残されている旧型客車の列車に乗ります。
その列車とは、南回り線の枋寮(ファンリャオ)-台東(タイトン)間を1往復している普快車3671列車と3672列車です。台湾で唯一冷房設備のない列車になってしまったそうで、最近ではこの列車に乗るツアーも台湾では企画されているようです。高雄から枋寮までは普通列車でも行くことができるのですが、ここはゆっくり出られる自強号をおごります。
数年前に旧駅舎から新しい駅舎に移転した高雄駅ですが、今のは仮駅。現在高雄市街地の区間の台鉄を地下化する工事が行われていて。これが完成するとまた新しい駅舎に移ることになるようです。
高雄(1025)-[自強229]-(1139)枋寮 (139元)
3000系DC特急@高雄
台中に着いた時にこの列車の指定席を購入しましたが、このようなローカルな列車でもかなり込み合っています。
郊外に出ると今度は高架化工事が進められており、高雄の車両基地を次の鳳山の先に移転させるため、合わせて電化工事も進められています。車両基地の広い構内はすでに8割がた出来上がっているように見えました。台鉄への投資怠りないようです。
九曲堂あたりからは南らしい風景が広がります。
バナナ園、ヤシ林、海老の養殖池が次々に現れます。
1時間ほどで枋寮に到着。
いったん改札を出て、改札口で切符を購入。(104元)
南国らしい枋寮駅
同じように普通列車の旅を楽しもうという観光客らしい乗客が、20人ほどいるようです。
台北から来たらしい日本人のグループも混ざっておりました。
15分ほど前にDLにひかれた客車が入線。島式ホーム2面しかない駅の1番線に入りましたので、全体を撮れる場所がないかと探します。駅を出はずれた構外まで行ったところからうまい具合に撮れる場所がありました。
枋寮駅全景
右側の列車は復興号用客車を使った左営-高雄-枋寮間の区間車です
R100クラスのDL+客車3両のこじんまりした編成です
早速駅に戻りまして、乗り込みます。
DL138+35SPK32717+35SPK32734+40SPK32206の編成です。
前2両の客車が日本製のスハ44タイプ、最後尾はなんとインド製の車両らしい。
本当は、最後尾の車両に陣取って、後部ドアから外を眺めて楽しみたかったのですが、この車両は2ドアのセミクロスでデッキなし、ドアは両開きでなんと自動ドアというものですので、これでは旅情にかけます。
やはり、クロスシートの並ぶ前2両にしましょう。
客車の後ろ姿は旅情を誘います
向こう側が突き抜けて見えてしまうのも手動ドアの客車の旅情です
一番前の車両が特に空いていた(というかだれも乗ってなかった)ので行ってみますと・・・・
整然とクロスシートが並ぶSPK32717
空いていると思ったら、この暑さなのに扇風機が回っていない・・・・
だから空いていたわけですね。暑くてたまらないので2両目に避難します。
ここで荷物を整理しているときにトラブル発生!カメラが動作しなくなってしまいました。
(正確には、短いほうのズームレンズが使えなくなりました。)
やむなく、この後は、長いズームとケータイカメラでの取材になってしまいました。\(-"-)/ マイッタ
写りが今一つなのはそのせいだと思ってください。
3671列車出発準備完了
枋寮(1205)-[普快3671]-(1419)台東
定刻に枋寮を出発。
懐かしいレールの響きです。
加禄を過ぎると、分水嶺越えに備えて高度を上げてゆきます。
台湾海峡を望んでだんだん高くなってゆきます
枋山を過ぎると山岳鉄道の様相を呈してきます。
ドアを解放した客車の旅は懐かしい
92年に完成した南回り線は近代的な山岳路線
このあたりの様子は、ちょうど今月の鉄道ジャーナル誌にも詳しく掲載されていました。
枋野(ファンイェ)信号場でしばらくの停車。
RJ誌に、サイクリングの客が写っていましたが、この列車からも何人かのサイクリストがここで下車してゆきました。
マウンテンバイクのグループが下車
さて、枋野で停車中。
時刻表をチェックしてもこの時間には対向列車はないんだがなあ・・・と思案していると・・・・
後ろから、ホワァ~ン!
不定期の観光列車が追い越してトンネルに突っ込んでいきました
ほぼ定期的に運転されている台湾観光号でした。
3671列車も出発。
分水嶺のトンネルに突っ込んでいきます。
トンネルを抜けると、曇り空の下、太平洋が広がっていました。
夏にはリゾートとしても注目されるのでしょうか。
金崙(ジーリン)で莒光号と行き違いのため小休止
ホームで待っていた乗客のほとんどは莒光号のほうの客でした
台東に向けてラストスパート。
せっかくなので最後尾から車窓を観察。
最後尾付近では男たちが現金をかけてカードゲームをしていました。
が、快く空けてくれました。
流れゆくレールが素敵
台東駅到着
さてこの日の最終コースです。
台東(1445)-[自強233]-(1728)花蓮
この区間、現在電化と線路改良工事が行われており、間もなく完成の見込みです。
今年の初めころには10月という話も聞いたし、夏には12月にはといわれていたのですが、工事状況を見るとあと2,3か月はかかりそうな感じです。電化工事は台東の南の知本までの区間で行われており、電柱の建植もすすんでいます。あわせて線形の改良もいたるところで行われており、完成した部分から使用が開始されているようで、あちこちに旧線路跡が見られました。
台東駅の電化工事進捗状況
本線には架線が張られていますが、側線部分はこれからのようです
もう一つ、この区間で注目していたのは、池上(シーシャン)駅の駅弁です。
ホームでの販売もあるので、急行列車でも買えそうな感じだったのですが、なんと台東駅に、「池上弁当」の立派な売り場がありました。
販売している弁当は4種類
面倒なのでここで買ってしまいます。2種類を購入して持ち込むことにしました。
買ってから、もう一つの弁当や「全美行」の出店があるのも発見してしまいます。
う~、これも聞いたことあるんだが・・・
こちらも池上駅の駅弁屋だったはず
さすがにこれ以上は買えないぞ。
また来ることもあるでしょう。
あきらめて、特急列車に乗り込みます。
こちら、鶏もも肉ご飯 85元
こちら、ルーロー飯 75元
パッケージは同じですが、サイズが違っています。
池上駅で立ち売りがあるのを見物しようと構えていたら、一つ手前の関山(グアンシャン)駅にも立ち売りが登場!ややや、ここも押さえておかないといけないか!
17時30分ほぼ定刻に花蓮に到着。自強号はここで数両を増結して台北に向かいます。
ホテルは町中に取りましたので、30分後チェックイン。
昼は遅かったものの、せっかく花蓮に来たので、海鮮料理を食べに行きます。
マンボウの炒め物
柔らかいイカといった触感です
ハタの蒸し物
身が厚くうまかった
そのほか、青菜の炒め、シロウオのてんぷらなど、堪能しました。
(続く)
日本ではもう味わえなくなってしまった、
ローカル客レの旅。
ドアが開けっ放しというところが、
また懐かしくて、旅情がありますね~(^^)
ところで先日、BSの番組で
俳優の大和田獏さんが同じようなルートを
まわられていましたが、見ましたか?
by あおたけ (2013-12-31 12:58)
台湾の雑客列車、消滅したとの噂も聞いていましたが、1往復ながらも残っているんですね! あおたけさんがコメントされているとおり我々世代にとって雑客は懐かしい存在、ますます乗りに行きたくなりました!!
あちこちで行われている台鉄の改良工事を見ていると若い国の勢いを感じます。
by サットン (2013-12-31 17:18)
あおたけさん
旧型客車の旅、窓が開くだけでも涙ものでした。
大和田獏さんの番組、見ました。昨日も再放送していたので、また見ました。1月にはタイの鉄道紀行をやるらしいので、こちらも楽しみです。
by やまびこ3 (2013-12-31 21:18)
サットンさん
1往復だけなので、3両あれば足りてしまうのですね。
台鉄としても人気のある状況なので悩ましいところかもしれません。
最初に乗った自強号で、ほとんどの人が20歳台という乗客の若さにもびっくりしました。
by やまびこ3 (2013-12-31 21:22)
南廻線の雑客、Cedarが乗った時はナロー気動車の客車化したのを大柄なDLが牽いてました。いつまでも走るといいな〜。
by Cedar (2014-01-02 08:42)
Cedarさん
南廻線開業のころまでナローの気動車の改造車が生き残っていたのですか?それは乗りたかったですねえ。
旧型客車、日本からも小田急トラベルのツアーで乗車体験付きのがありました。
by やまびこ3 (2014-01-02 15:45)