アルプスの峠を訪ねて(その1-1 朝のミラノ中央駅) [やまびこ(旅日記)]
アルプスの峠を訪ねて(その1・1 朝のミラノ中央駅)
4月24日(1/3)
朝のミラノ中央駅からスイスに移動します。
古典市電がまだまだ活躍していました。ほっとします。
ミラノ駅前を通る系統はこれしかない感じ
イタリア・ミラノからスイスの入り口キアッソを経てゴッタルド峠の基地ベリンツォーナまで、特急のEC(かってはチザルピーノという別会社が運行していましたが、今はこの会社は解散して、FSSイタリア鉄道とSBBスイス鉄道の特急が走っています。)でも、地域急行ともいえるRE(Regional Express)でも1時間30~40分ほど。国際区間では予約が必要なECではなく、REで行くことにします。短編成ながら半車の1等車が付いた連接式の電車でした。
昨日観察できなかった、ミラノ中央駅をじっくり観察します。
イタリアを代表する特急列車たち
左が国鉄(トレニタリア)のフレッチャロッサ(赤い矢)号となったETR500(電気機関車によるプッシュプル編成)。すでに主役の座を電車式のETR400に譲りつつあります。初期の緑を主体にした塗装の時のほうが断然かっこよかったと思うのです。右は3年前ぐらいから話題になっているアルストーム社製の動力分散式高速車両AGVを使ったItalo(イターロ)という列車で、イタリアの国鉄トレニタリアの線路を借りて、運行している日本でいうところの第二種鉄道事業者に相当するサービスを展開しています。トップに挙げた写真もこれで、臙脂の車体が何ともカッコイイ高級感を演出しています。これにも乗ってみたかったけど、お預けです。
と、西の端のホームに古色蒼然とした客車が止まっているのが目に入りました。
ややや、すごい!
深緑色の荷物車と客車、さらにこげ茶の客車も連結しています。
1両は18m程の客車で、各コンパートメントごとに扉の付いた古典的な車体。
これは何でしょうか?
先頭の客車は仕切りが取り払われていて、何やら供食設備のようなテーブルがしつらえられています。トレニタリアの職員も集まってきていて、がやがややっていました。
先頭の機関車は↓
オ~!古典的なディーゼル機関車です!
銘板には「FS D345.1142」とあります。居合わせた職員のおじさんに聞いてみると
「ウンブリア州を巡るエクスカーショントレインで、今日は古典ディーゼル機んも牽引だけど、蒸気機関車の時もあるんだよ。客車は1940年代、機関車は1950年代の製造だけどピカピカだろう!どうだい!」
とのこと
「それじゃ機関車は、私と同じ世代ですねえ」
といって笑いをもらってしまいました。
そこで、この職員の方にシャッターを押していただきました。
で、後で調べてみるとこのD345、1970年の製造。基本型のD343でも1964年製造なのでそこまで古くはないようです。また列車自体はTrain Bluという保存団体の企画するチャーター列車のようでした。
古典機を前に記念撮影です!
古典列車の隣にETR500のフレッチャビアンカ(「白い矢」という特急)が入ってきました
対照的な光景ですね
そろそろ、出発時刻となりました。
北イタリアとスイスを結ぶRE列車(快速列車に相当)
スイスの車両メーカーシュタドラー社のRe524型という4車体連接電車。ちゃんと1等車も半車ながらついていまして、それなりに乗車しています。正面に書いてあるTILOというのは、スイス国鉄とトレニタリアが折半出資した地域鉄道運行会社です。
ようやく出発できます。
Milano Centrale(810)-[S10系統:RegioExpress 25508]-(956)Bellinzona
ミラノ市内の複雑な配線をかき分けるように進んで、郊外に出るとスピードも上がってきます。
コモ湖をかすめて、国境の町Chiassoを過ぎると、ルガノ湖に沿って北上してゆきます。最初は左手、途中で湖を渡って、右側にルガノ湖を見てゆきますが、ずいぶん風が強い。
波立つルガノ湖に沿って北上
Rugano-Bellinzona間もちょっとした山越えとなっており、Bellinzonaの盆地を見下ろしながら下ってゆきます。この区間も延長15KmのCeneri Tunnelを建設中です。
Bellinzonaに向かって下ってゆきます
Bellinzona駅に定刻到着。今日は、ここに荷を預けて、さらに先のGirnicoのループ線を訪問する予定です。が、駅舎が改装中で、営業窓口を探し当てるのに戸惑ってしあいました。駅は南側の仮駅舎で営業中。そこをようやく探し当て、両替、コインロッカーにスーツケースを預けて、急ぎホームに戻りますが、10:06発のIR列車(Inter Regio:急行列車に相当)をタッチの差で逃してしまいました。
スイス国鉄ゴッタルド線のBellinzona-Eastfeld間は合理化で普通列車が廃止されており、普通列車しか停車しないような小駅は営業を休止しています。その代りゴッタルドトンネルの南側のBellinzonaーAirolo間と北側のGoschnenーEastfeld間にはPost Busなどの代行バスを運行しています。このようにして少なくとも1時間に1回の乗車チャンスを提供しているのです。1時間に1回というのがスイスの公共交通の基本となって今して、交通基本法ができても何にも変わらないどこかの国とは大違いです。
Bellinzonaから北上するバスを捕まえてもいいのですが、バスにはユーレイルパスは使えないため、少しでも節約するため、少し北のBiascaというところまで列車で移動したかったのですが、これはここからバスに乗るしかないかな。そう思って、SBBの時刻表サイトを検索すると・・・
SBB(スイス国鉄)のサイトはバスも含めて全公共交通機関の時刻が検索できてしまうという優れものです。・・・この時間にBiasca止まりの区間列車が設定されていて、うまく乗り継げることがわかりました。(バス停の名称はGoogle Mapなどで確認しておきましょう。)
Bellinzona(1038)-[S10系統:25114列車]-(1054)Biasca
Biasca, Stazione(1101)-[Bus191系統]-(1117)Giornico, Parondino
ほほ~っ、接続いいではないですか!
途中、並行する新線が作られており、ゴッタルドベーストンネルの新しい入り口が口を開けているのがわかりました。
ゴッタルドベーストンネルの坑門が見えました
Biasca駅にトウチャコ
日曜日なので無人となっていました
駅裏にはなかなか涼しげな滝が落ちています
こんな感じで余裕をかましていたのです。
ところが、、、ところがです!
Biasca駅でバスの時刻表を再確認して、少しの間うろうろしていたのですが、少しして戻ってバス時刻表をもう1回確認すると、1109発だと思いこんでいたのが実は別の系統の時刻表で、1101は既に過ぎてしまっていることが発覚。何をやっているんでしょうか?
次のバスは1時間後・・・仕方がないので、ランチタイムにしましょう。駅前のピッツァリアに入ってみました。
ピザを頼んだのですが・・・・やってしまいました。
30センチの大物が出てきてしまいました
半分しか食べられません
余った時間で、通過列車を取材しましょう。
ETR610のEC列車
この編成はトレニタリアの所属のもので、イタリアとスイスで塗装が違っています
スイス国鉄の振り子車両ICN
国内区間の優等列車です
ようやく、Giornicoに近づくことができそうです。
<続きます>
こんばんは
イタロはワインレッドの車体がタリスを連想しますね
わたしもまだ乗ったことがありませんが乗ってみたいです
ヨーロッパは最新式の列車に交じって厳つい旧型の車両が
頑張ってるのが凄いと思います
by gardenwalker (2016-05-08 22:35)
コモ湖には仕事(会議)で一週間ほど滞在し、この路線でミラノまで往復したこともあり、懐かしいです。スイスには入国しませんでしたが・・・行けばよかったなあ。
by Cedar (2016-05-09 00:21)
gardenwalkerさん
この10年でイタリアの鉄道ももずいぶん顔ぶれが変わってしまった感はありますが、イタロの車体は美しいですね。
実は帰路はミュンヘンからにしたのですが、途中からイタリアに戻りたくて仕方がありませんでした。
by やまびこ3 (2016-05-09 22:54)
Cedarさん
コモ湖はイタリアの保養地として有名ですね。映画関係のお仕事かな。ミラノからでもコモからでもスイスのゴッタルド峠あたりまでは楽に日帰りができてエクスカーションとしては面白いものになるんではないかなあ。
by やまびこ3 (2016-05-09 22:56)