アルプスの峠を訪ねて(その10-1 ブレンナー峠) [やまびこ(旅日記)]
アルプスの峠を訪ねて
(その10-1 ブレンナー峠)
アルプス紀行も10日目、2か月で終わらせようと思っていたのですが、もう7月も末。
あと数日分、お付き合い願います。
5月3日
インスブルック滞在2日目
インスブルックからイタリアに抜ける峠道、ブレンナー峠を越える鉄道を取材します。
比較的低い峠で古くからイタリアとドイツを結ぶ交通路として利用されてきた峠で、現在はドイツ南部とイタリアのベローナを結ぶ主要交通路となっており、貨物列車の比重が大きくなっています。国境は峠付近にあるブレンナーという町なのですが、撮影ポイントとしてはその手前のSt. Jodokザンクト・ヨードックがよく知られています。
スイスの官製地図のような精細なものを手に入らなかったので、Yahooの地図を切り抜いておきますが、インスブルックから南に鉄道をたどっていただきますとだんだん狭くなる谷にそって走ってきた線路が盲腸のように東に張り出しているところを発見できるかと思います。
St. Jodok付近
ここが有名なザンクト・ヨードックのオメガループ。ここで思いっきり高度を稼いで、再び谷にそって国境を目指すわけです。ドイツ南部からアドリア海に出る貨物列車が頻繁に運転されていますが、ミュンヘン-インスブルック-ベローナを結ぶECも一日数本運転されていて、3か国を結ぶ国際交通路になっています。また、この峠は長いトンネルは無く景色も楽しめる区間のようです。貨物列車はインスブルックを通らずに直通できるバイパス線が建設されていてショートカットされています。
インスブルックから国境のブレンナーまでは、普通列車のSバーンが1時間おきに運行されていて
都市交通の一部を形成しています。天気も少しは回復し、運が良ければ雲が切れて山も見えてくれそうです。インスブルック駅に行き、S4系統の電車に乗車。
スマートな連接電車が運転されています
Innsbruch Hbf(822)-[S4 5246レ]-(859)St. Jodok
4車体連接の電車で運転されています。
途中SteinnachまではS3系統がカバーしていて、S4は快速運転。ここまでは小学生のグループが乗っていましたが、谷の狭まるSteinnachからはがらがらになってしまいました。
谷あいに開けた窪地のような地形のSt. Jodokで下車。もちろん無人駅です。
ここでは、西に向けて口を開いたオメガループを南側の高台から見下ろすのがよさそうです。地図上のA地点をめざしましょう。地図の東側ループの1/4ほどはトンネルの中に隠れています。
駅を後に撮影ポイントAに向かいます
後ろにはイタリアに向かうアウトバーンが見えています
坂道を上っている途中、早くもインスブルック方面行きのECが坂を下ってきてしまいました。
3両編成と軽量な編成でやってきたEC
撮影ポイントに到着しました。
少しもやがかかっていますが、雨にはならなかったようです。
早くも次のSバーンがやってきました
足元のループ線を登ってゆきます
スイスは左側通行でしたが、オーストリアは鉄道は右側通行なのです。
今度は、下から長い貨物列車が登ってきました。
トラックを満載して上ってきたカートレイン
機関車のヘッドライトが点いているのでこちらに向かってくるのがわかります
オーストリアは右側通行ですが、この日はSt. Jodok以北が工事のためか単線運転になっていました。St.Jodok駅の南行のホームも閉鎖されていました。
大型トラックを連ねたカートレイン
ドライバー用の客車が1両連結されています
日本では定着しなかったピギーバックトレインが、かの地では見事に頻繁運転されています。アルプスを越える高速道路の大型トラック通行の削減に大きな貢献をしているのですね。
続いて、勾配を下ってきたSバーン
2編成併結で下ってきた
またまた、長~い貨物列車が登ってきました。
機関車が重連で引いてきました
大カーブを行くコンテナ列車
白い面を付けた変な奴が後押ししていました
ドイツの貨物鉄道会社の機関車と思われます
いや~、大迫力ですヨ!
今度はブレンナーから貨物列車が下ってきました。
タウルス単機の牽引です
30両もコンテナを搭載しています
少し、下に下って撮影を継続です!
長い編成のECが上ってきました
9両の特急客車を連ねたEC
美しい編成美を見せてくれました
広々した谷間を行くEC
まだまだ、撮影が続きます。
長~い坂を下ってくる貨物列車
3重連でしずしずと降りてきます
これも貨物用機関車の回送です
今度はトンネルの真上付近から
ループ線を行くSバーン
重そうな鉱石運搬のような貨車を牽いて上ってきました
先ほどのSバーンが早くも下ってきました
この辺で、ポイントを変えます。今度は西側に行ってみます。いったん集落まで戻って、南に抜けます。牧場の入り口にこんな看板が・・・
「鉄道ファン向けの注意」まで明示されていました。いわく、「牧草ののびている時期に牧草地に入るな・・・」
それなら、今の時期は大丈夫のようですが、踏み跡から外れないようにしましょう。
ループ線の築堤をくぐって牧場の中の道を進んでゆきます。
ループ線をカートレインが上ってきました
さらに上ってゆきまして、右手に山に入ってゆく道を登ります。道沿いの斜面で農家のおじさんが作業していますのに、ご挨拶してポイントを探させていただきます。このあたり添付の地図には道が掲載されていませんが、ポイントCになります。
オメガループのトンネルを出てくる列車を出迎えるポイントになります。あまり上に行ってしまうと樹林帯に入ってしまうのでしばらくこのポイントで撮影を続けることとします。
重連の機関車が牽引して貨物列車が登ってきます
築堤で羊の群れが草を食んでいるのが見えますね
ループ線の築堤を駆け上がってゆきます
続いて、イタリアに向かうユーロシティがトンネルを抜けてきます。
OBBの美しい客車の編成です
さらに谷底におりて、真ん中を流れる小川の淵あたりからも撮影できました。ポイントBのあたりです。
こんな急勾配を登ってゆくのです
気持ちのよい緑の斜面を下ってきた機関車
今度はトラックを満載したカートレインが上ってゆきます
カートレインは後ろに客車1両を連結しています
両端に機関車を連結したプッシュプルの編成で、上下1時間に1本運転されているようです。
このあたりで、下界に降りることにします。午後は、インスブルック市内の登山電車に乗ってみる予定なので、いったん中央駅に戻ります。
St. Jodok(1242)-[S4 5349]-(1308)Innsbruch Hbf
Sバーンに乗って市内に戻りましょう
<続きます>
改めて拝見して、今この写真の価値が分かりました☆
素晴らしいです。この頃はまだ欧州車両の事はRailjetくらいしか知りませんでしたから。
こんな峠越えしてるんですね。しかもLokomotion151 074 がばっちり♪
やはり力があるんですね。OBBのwagenも導入予定なので、参考になります。
by JR浜松 (2018-03-16 06:51)
JR浜松さん
わざわざコメントまでいただきありがとうございます。このルートはミュンヘンからインスブルックを経てイタリアに抜けるヨーロッパの幹線ルートのようです。広大なオメガループのほぼ全景が眺められるポイントでした。
by やまびこ3 (2018-03-16 19:13)