ちょこっと北海道ローカル線めぐり(その2) [はつかり(鉄系)]
ちょこっと北海道ローカル線めぐり(その2)
留萌本線乗り鉄&撮り鉄記
10月15日(土)続きです
1ブロック離れた駅に駆け込むとちょうど12:17発の4925Dの発車案内が流れていたところでした。12月4日に廃止が決定している留萌本線の留萌-増毛間にお別れ乗車しようとここまでやってきました。
改札氏にお願いして無札のままキハ54の2両編成の列車に飛び込むとほとんど満員の盛況。どうやらバスツアーも組まれていて、バッチを付けたお客さんも多数乗車中。
ロングシート部分の1か所空席を見つけて座ることができました。
なにしろこの区間は1981年以来の乗車となります。実は印象が薄くて映画「駅」で健さんが勤める駅舎の印象ばかりが強く残っています。
本来ワンマン列車ですが、臨時に車掌も乗務しているようなので車内で切符を購入できました。
臨港線のような鉄橋を渡って切通しを抜けるといきなり海岸に出ます。瀬越、礼受と海岸沿いに漁村の風景の並ぶところを南下してゆきます。礼受の駅舎は懐かしい貨物列車の車掌車にカバーをかあけたような駅舎でした。阿分駅も同じような作りですが、床下にマムシが出ると注意書きが掲げられていてぎょっとします。阿分を過ぎてトンネルを抜けると湿地帯のようなところを走りますが、また再び漁村風景になってしまいます。阿分、信砂など駅のホームは0.5両分ぐらいしかない簡易駅上がりのようなものです。ワンマン列車ならずとも最前方の扉からしか乗り降りできませんねえ。
廃車掌車がまだ使われている礼受駅
この沿線、以外にもほとんど民家や作業場が途切れることなく続いています。
しかし、住民の足はマイカー、かなしいことに留萌-増毛間の輸送密度は100人を切ってしまっています。国鉄末期の廃止基準は4000人でしたから(これは国際的に見たらかなり大きなっ数字だと思うのですが)圧倒的に乗客が減ってしまいました。並行する国道にも1時間おきにバスが走っていて所用時間もほとんど変わりません。運賃は半分ほどでも存続する必然性はもはや・・・。
実際冬期間は雪崩の危険があるとして、半年も運休になってましたが、ほとんど困る人がいないのが実情では12月4日限りで廃止の決定がなされたのもやむを得ないかなという感じです。
再び山が迫ってきて、舎熊、朱文別と短いホームが続きます。箸別に向けて海が迫ってきます。箸別を過ぎて国道の下をくぐるところで、カメラマンの姿が数人見えました。
箸別を過ぎると増毛湾に沿って、右に回り込んでゆきます。最後はこれまでの進行方向とは逆の北に向きを変えて終着駅に突っ込む形になっています。箸別を出てすぐ、海岸段丘の下をゆっくり進んでゆきます。この区間25Km/h制限が最後まで続くことになります。落石を警戒してのことと思いますが、冬季の長期計画運休もこの区間のせいかもしれませんね。
終点に到着する前、車掌のほかに乗り込んでいた警備会社の警備員氏が車内を回って来て、終点では荷物による座席確保は禁止、必ず荷物を持って下車するように注意をして回ります。
留萌(1217)-[4925D]-(1247)増毛
増毛駅トウチャコ
最徐行で増毛駅に進入。
ホームが見えると、なんとすでにロープで整理されたホームに百人もの乗客が列をなしているではないですか。もう廃止間際の葬列モードに入っているのですね。ツアーのバッチを付けた観光客?もかなり混じっているようです。
今日はこの列車で折り返す予定なので、急いでちゃちゃっと列車と駅を記録します。乗車は2両編成の最前部の扉からに限定して整列乗車させているようです。
折り返し準備中。乗車待ちしています
翌日、留萌駅で記念に販売していた入場券を購入しました。
1981年に来た時にも入場券を購入していましたので、並べて載せておきます。
記念に求めた入場券
寿スタンプを押してくれましたが・・・裏には・・・なんと!
大学の友人にあげるつもりで買いましたが、すんでのところでところで思いとどまりました。
渡したほうが良かったかなあ。
そのころ、四国は予土線の半家駅から増毛駅の切符が縁起物として話題となりましたが、これからは半家駅から布佐駅経由、福生駅行き という洒落をどこかで聞きました。
どこか途中の駅で下車して、2,3カット撮ろうと発車間際の列車4903Dに乗車。2つ目の朱文別で下車。
増毛(1257)-[4930D]-(1306)朱文別
朱文別と舎熊の間の丘から撮ってみようと思います。
朱文別駅の短いホームを出発
いったん国道に出て、北上。1Kmほどすすんだところで山側に入り踏切を越えると丘に登ることができました。下に留萌本線の線路と日本海が望めます。上の方にも畑があるようなところなので、こんなところにはクマはいないと思いますが、草むらに踏み込むとマムシぐらいでそうなので、注意してポイントを探します。・・・が、こんな看板が・・・
ギョギョ!!!
なるべく音を立てていようとスマホラジオを鳴らしておきます。
しばらくすると農作業の方が上の畑の方に上がっていったので一安心。何が安心なんだジャノ~ォ (゚△゚;ハッ・
4927Dが下ってきました
次の撮影ポイントは、沿線随一のポイント、阿分の俯瞰にしようと歩きます。
カモメ~が飛んだ~♫
舎熊駅も車掌車改造
信砂の駅を過ぎたところで、信砂川の橋梁がありまして、その下の川にサケがいっぱい上ってきている様子が見えましたので、記念にここでも撮りたいところでした。その傍らに何かの慰霊碑が建っていました。
客車の転落事故の慰霊碑
後で調べたところ、昭和21年に大雪の影響で?客車が信砂川に転落した事故があったそうです。17名もの方がなくなった大事故だったのですが、戦後の混乱期に起きた事故のためかほとんど知られていません。
信砂川の北側の丘に登ってゆきますと、この丘をトンネルで抜けた留萌本線のレールが湿地帯の中に綺麗なカーブを描いているのが樹木の間から望むことができ、傾いた太陽がレールを照らしているのが印象的です。脚立を使って、ここで構えている同業者の姿も。
脚立がないと無理なので、先に上ります。丘の頂上まで登って、草地のなかの鉄っちゃん道を進むとすぐに阿分の海岸の俯瞰ポイントにつきました。
海岸沿いに漁師の集落が続き、内側にレールがのびています。西に傾いた太陽が怪しく海岸段丘の斜面を照らしています。
同業者4人ほど。北海道でこれだけ人が集まるのも廃線間近ということなんですね。
トンネルに入る上り列車の警笛が聞こえてすぐ、キハ54の2両編成が北上してゆきます。
海岸段丘に沿って敷かれた線路を北上してゆきます
西日に照らされて走り去ってゆきました
もう1本撮れるかと思っていましたが、この時期すでに17時には日が沈んでしまいます。
日本海に沈む夕日を眺めます
阿分第二(1707)-[沿岸バス]-(1720)留萌十字街
留萌の夜は当然魚ですね。
お通しはイクラ
おすすめの刺身でいただきます
何杯目かにいただいた増毛の「国希」佳撰
これって三増酒のわりにさっぱりして美味しかった
北国の夜は更けてゆきます。
<続きます>
こんばんは
一瞬、五能線を思わせる1枚目の風景
行ってみたいなー、と旅情を掻き立てますが
利用者がいないんじゃ仕方ないですね
北海道はアメリカのように長距離バスと
飛行機だけになってしまうのではないかとも
思います
by gardenwalker (2016-10-24 23:37)
今日のニュースは上場と、路線半分廃止という・・・廃車掌車(涙)
スミマセン!スミマセン!こんな話してしまって・・・硬券&硬券(涙)
夕日に、つづく酒肴に、私はホント癒されます。・・・一升瓶(涙)
by hanamura (2016-10-25 21:53)
日本最北の酒蔵のお酒ですね(^^)
by johncomeback (2016-10-26 05:50)
gardenwalkerさん
この記事を買いていた、10月25日。留萌本線の根本部分も廃止交渉が始まっているとのニュースが流れてきました。来るべきものが来たという感じですが、少しでも乗ってあげたい・記録しておきたいと思います。
by やまびこ3 (2016-10-26 07:33)
hanamuraさん
JR九州、鉄道資産は15億円ぐらいに現損処理するという手荒い処理をしたんですね。こんなことして適法なんでしょうか。
北海道と九州でこんなに差がついてしまうとは人口の違いといってしまえばそれまでなんですが・・・。
by やまびこ3 (2016-10-26 07:36)
johncomebackさん
そう、その最北の酒蔵なんですが、そういう看板は見かけたのですが、旭川のほうが北じゃないのとも思ってしまいました。そこで、地図をじっくり眺めますと・・・ありゃりゃ、増毛のほうがかろうじて上じゃないの。認識を改めました。
by やまびこ3 (2016-10-26 07:39)
高台から眺めた海沿いを走るローカル線、
留萌本線の末端部を象徴するような、
素晴らしい情景ですね〜(^^)
この鉄路が失われると言うのは本当に惜しい・・・(´・ω・`)
留萌本線、廃止前にもう一度増毛まで乗ってみたいけれど、
私はもうムリかなぁ。。。
by あおたけ (2016-10-27 08:58)
あおたけさん
留萌本線、緑の時期に行ったのははじめてだったのですが、こんなに風光明媚だったかなあ。民家も多くてあと少しで廃止とは思えない風情でした。根元部分もなくなってしまいそうですねえ。
by やまびこ3 (2016-10-31 22:41)