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『狙った恋の落とし方』   (★★★☆☆) [あおば(映画)]

中国で史上最大の大ヒットとなり、ロケ地となった北海道の網走あたりに中国人が大挙して訪れているという、中国映画を鑑賞。
ラブコメディというふれこみだったが、なかなか奥の深いメロドラマだった。

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おかしな発明で大金を手にしたチン・フェン(グォ・ヨウ)という男が、中国で今はやっているらしい、お見合いサイトを利用したお見合いツアーを始める。美しくても、ひとくせもふたくせもある女性たちと見合いを続けるうち、現れたのは、不倫の愛に悩んでいるというシャオシャオ(スー・チー)。
最初は条件が合わないとわかれた2人だが、シャオシャオがCAを務める飛行機の中で出会った二人は、改めてデートをし、2人それぞれの思い出の地である北海道を旅することに。

これからある種珍道中が始まるわけだが、オホーツク海に面した北浜駅、知床、阿寒湖、美幌峠、能取岬と美しい風景の中で心をいやされてゆく。

中国人の目から見た北海道観光ツアーを見ているようでもあり、2人の心にどんな変化が起こるのか、なかなか面白いラブストーリーを見せていただいた。

でも、北海道まで行っても、日本ではなかなか人工物の入らない風景は撮れないのだな、とちょっとがっかりしたりも。一方、中国の杭州付近の風景もよかった。現在中国の風俗を知るにも、風景を楽しむにも面白い。


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血は人間の欲望の象徴か   『渇き』    (★★★★☆) [あおば(映画)]

敬虔な神父だったサンヒョン(ソン・ガンホ)は日常の神への奉仕に飽き足りなさを感じたゆえか、
エマニエル研究所で行われている、全身に水泡が生じ血を吐いて最後には死に至るという
凶悪な感染症のワクチン開発の人体実験にボランティアを申し出た。
人体実験の結果、500人中ただ一人生き残り、教会に戻ってきた神父のもとには
奇跡を成し遂げた聖人を慕うかのように不治の病に貸された信者たちが集まるようになった。
しかし、回復したかのように見えたサンヒョンは、この感染症ワクチンによって、
人間の血を飲まないと症状の再発するバンパイアになってしまっていたのだ。

難病の患者たちに最後の祈りをささげに行く、教会付属の病院で、植物状態の
患者の輸血用血液をすすり、盲目の師匠の手首からも血をもらい、挙句、集まってきた
信者たちの中の自殺志願者からも血を提供されていたサンヒョンだが、だんだん、
血をほしがる頻度が高くなってくる。
こんなとき、幼馴染の友人ガンウに再会する。ガンウはがんに侵されていた。ガンウの妻テジュ
(キム・オクビン)は幼いころに実の両親を失い、ガンウの母親に引き取られて育てられ、
そのまま妻となっっていたが、妻とは名ばかりで、実のところ、家の仕事とガンウの世話をする
家政婦として家に縛り付けられ虐げられている毎日だった。ストレスがたまるとはだしで
夜毎に徘徊するテジュ。
互いに惹かれあってゆくサンヒョンとテジュ。2人が結ばれるのに時間はかからなかった。
サンヒョンが感じていたのは救いなのか、愛なのか、欲望なのか、本能なのか。
彼らの渇きを癒してくれるものはあるのか?

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当然テジュも感染症に感染し、血をほしがるようになってしまう。サンヒョンはかろうじて
人を殺して生血を確保することを自制していたが、テジュにはそんなことはできない。
ついに義母と夫を殺すことを計画するテジュ・・・・。友人たちが集まってマージャンをする日に
事件は起こるのだ。

赤い血に対するこだわり、それと分かつことのできない性への欲望、他者に必要とされる
ことへの欲望、対極なる自由への欲望、こういった人間が本能的に持っている欲望は、
渾然一体となって誰の心の中にもある。理性がそれを整理し、袋をかけ、時にはあらわにする。
どこまでそれをコントロールするか、それはあなた・私のこころしだいだ。

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メリルストリープの幅の広さが光る 『恋するベーカリー』  (★★★★☆) [あおば(映画)]

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メリルストリープ演じるベーカリーを経営する実業家女性。息子の卒業式を機会に集まった子供たちと元夫との復縁なるかどうかって話です。
メリルストリープを始めてみたのは『クレイマークレイマー』だったかと思うのですが、そのときすでに大女優だった彼女のクールな演技に脱帽してしまいました。
その後の活躍も言うまでもありませんが、『プラダ・・・』のようなクールなビジネスウーマンや厳しい母親のイメージが強いなかで、大作ばかりでなく「フィッツジェラルド劇場」のような佳作で歌を披露したり、去年はダンス、で、今度は熟年カップルの老獪なラブシーンだもの。この幅の広さ、奥の深さには、まいってしまいますね。

相手役のお父さん、どこかで見たことがあると思ったら、『私の中のあなた』のお父さん。『グッド・シェパード』にも出てたな。アレック・ボールドウィンという俳優さんで、今回はおとぼけお父さん役でちょっと間抜けないい味を出していました。

かなり良くできた映画でしたが、タイトルに一ひねりほしかったな。

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『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』   (★★★☆☆) [あおば(映画)]

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めずらしいスウェーデン映画。ジャーナリストのミカエルは、40年前の少女失踪事件の調査を依頼され、ミレニアム探偵社の天才ハッカー、リスベット(ノオミ・ラパス)と捜査を始める。
新たな証拠が少しずつ明らかになってゆくなか、2人に迫る危機。

聖書の物語になぞらえて、次々に起こっていた事件のつながりが解きほぐされてゆく。『天使と悪魔』同様、キリスト教についての知識があるともっと楽しめるのかも。

続編が楽しみです。
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『Oceans』 映像が素晴らしい  (★★☆☆☆) [あおば(映画)]

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少し前に見た映画ですが、話題の「Oceans」を鑑賞しました。
美しいのひとことに尽きます。

新しい撮影技法をいくつも撮りいれたことでも話題になりましたが、一番感動的だったのはカツオドリがダイブして魚を捕らえるシーン。イルカに追い込まれて海面に浮上したイワシをめがけて上空で待機していたカツオドリが急降下して捕まえる。その時の羽(肩と言ったほうがいいか)のすぼめ方までとらえられていて、これはすごい。

もうひとつ、シロナガスクジラがオキアミを捕食して、お腹が膨れる様子。この迫力は初めて。

環境汚染への警鐘は今更いうまでもないけれど、あらためて地球の繊細さを再認識する。
これ以上、人間が金もうけの手段として、地球を痛めつけることのないことを切に願うものです。


一つだけ残念だったのは、日本語吹き替えのナレーションが、少しばかり子供向けに過ぎていたこと。
字幕版を見ればよかった。(当地ではやっていなかったけど)
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『ソフィーの復讐』    (★★★☆☆) [あおば(映画)]

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結婚2ヶ月前に外科医の婚約者が浮気して破談!復讐に燃える漫画家ソフィーの狙いは
相手をもう一度振り向かせて、こっちから振ってやること。

とあるパーティでソフィー(チャン・ツィイー)の前に現れた台湾の写真家ゴードン(ピーター・ホー)と協力して
外科医を貶めようと画策するうち、ゴードンの自然な生き方に心を許してゆくソフィー。
(よくあるパターンだ。)

ゴードンの個展をソフィー自ら企画して、これが大成功。ジェフと新恋人への
妨害も大成功!そして、ゴードンとソフィーの中もこのまま発展してゆく・・・・
と思われたのだが・・・・


やっぱり、チャン・ツィイーってかわいいな。
顔ちっちゃいなあ。感心してしまう。

この映画、チャン・ツィイー自信がプロデュースも行っているということだが、
敵役のファン・ビンビンとは実生活でも不仲なんだとか。

それにしても、ソ・ジソプの間抜けな外科医役はぴったりだったな。

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泣けるドキュメンタリーでした・・・『牛の鈴音』  (★★★★☆) [あおば(映画)]

韓国で300万人を動員したというドキュメンタリー

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40年も生きたという農家の牛と飼い主のお爺さんとお婆さんの1年間に密着したドキュメンタリー。

牛を使った昔ながらの手作業の農業にこだわり続ける老いた農夫。足の不自由なお爺さんは泥田にはいつくばるようにして作業をする。牛に食べさせる草が汚染されるからといって農薬も一切使わない。雌牛と爺さんは30年もこうやって農作業をしてきた。
お爺さんと連れ添って50年以上、お婆さんの愚痴が続く。牛の世話ばかりさせられて、苦労が絶えないと。
全編、愚痴が続く。

美しい山村の風景、セミの声、虫のおと、風の気配、雨の音。
毎日、老牛はお爺さんを乗せた荷車をとぼとぼと牽いて、農作業に出かける。
痩せ衰え、角は頭に刺さりそうなぐらい曲がってしまっている。
帰りには爺さんは、疲れ果てて居眠りしていても家に連れて帰ってくれる賢い奴だ。

大地とともに生きる夫婦。お爺さんの体の一部のように働く雌牛。
効率優先の自由主義経済へのアンチテーゼというだけでない、生きることの意味を考えさせられる作品だ。




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『ゴールデンスランバー』  (★★★☆☆) [あおば(映画)]

ゴールデンスランバー(ビートルズの名曲)を口ずさんでいた
学生時代の懐かしい仲間たち(ファーストフード研究会)のメンバーが
次々に首相爆殺事件に巻き込まれてゆく。

数年ぶりに学生時代の友人森田(吉岡秀隆)に呼び出された宅配ドライバーの
青柳(堺雅人)は睡眠薬を飲まされて車の中で眠り込んでいた。
目覚めた直後に彼らのすぐ近くで、首相を暗殺する爆発事件が起こった。
「おまえオズワルドにされるぞ。」となぞの言葉を残して、森田も
同様に爆死。

首相暗殺犯として警察に追われる身になってしまった青柳。
学生時代の仲間たちのところにはすでに警察の手が回っている。
警察の情報操作・捏造により、次々とあらわになる事件の証拠。

追い詰められる青柳を助けようと、通り魔事件の謎の犯人、入院中の
やくざ、そして勝手の恋人靖子(竹内結子)が必死の
応援を展開する。

そして、TV局に青柳の独占インタビューを取り付け、公開の場に
現れることになったのだが・・・・。

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ようするに裏の権力がすべて仕組んだって推定されるわけなんだが、この割り切れなさは一体何なんだろう。
今回の民主党の事件の決着にも通じちゃっているよな。
途中までは、何かもっと複雑な裏の事情が明かされるのではないかと一生懸命見させてくれたんだけどな。

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『空気人形』  (★★★★☆)   [あおば(映画)]

少し前に見た映画ですが・・・

 空気人形と一緒に売らす板尾創路演じるところの中年男。
さえない男は、レストランのウェイターとして働いているが、オーナーに怒鳴られる毎日を空気人形、”のぞみ”との生活で紛らわしていた。いわゆるダッ〇ワイ〇というやつだ。

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ところが、ある日、この型落ちの空気人形が”こころ”を持ってしまった。
”のぞみ”(韓国の人気女優、ペ・ドゥナ)は主人のいない日中、外を歩き回り人間社会のことをすこしずつ学んでゆく。
とうとう、町のレンタルビデオショップにアルバイトとして入り込む。チェーン店ではない、映画好きの店長が心をこめてアドバイスするような下町のビデオ屋だ。
こんな店で働くうち、どうやら”のぞみ”はアルバイト店員の純一に心を寄せるようになってしまったようだ。ある日、ふとしたことから、”のぞみ”の秘密を知ってしまった純一。
純一は言う「自分も空気みたいなもんだ」・・・

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現代社会の人間関係の中で、ともすると"空気人形”のようになってしまう人間を皮肉とユーモアたっぷりに描き出すしている。
あなたの回りにも空気人形が、そして私の回りにも。もしかしたら、あなた自身も・・・・

(ここからネタばれ)


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『母なる証明』   (★★★★★) [あおば(映画)]

殺人の容疑で逮捕された、知的障害者の息子の無実を信じて、自ら女子高生殺人事件を調べ始めた母親。

警察は犯人と決めてかかり、弁護士は本気になって捜査すらしてくれない。
まだまだ偏見の残る地方都市で、母親への風当たりは強いのだった。

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自分で調べると心に決めた母親に、息子の友人の話がヒントとなり、被害者の背景がすこしづつ明らかになってゆく。

息子トジュン役に兵役から復帰したウォンビン、母親役にキム・ヘジャを配したキャストがピタリとはまった。
貧しい生活の中で、病的なまでの愛情を注ぐ母親を描き切ったホン・ジュノ監督の渾身の指揮。

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「グエムル」ではちょっと遊びすぎたのかもしれないが、「殺人の追憶」の手腕を再び見せてもらいました。

本編の最後のシーン、すべてを忘れようと踊りくるう母親に後ろから差す夕日の温かさが、ありがたく、心をなごませる。

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